滞納・未払い・差し押さえ

自動車ローンを滞納するとどうなるの?最悪な結果までの8ステップ

高額な商品である車の購入には、どうしても自動車ローンが必要になってきます。しかし、その支払額は決して安くはなく、場合によっては滞納してしまう事もあります。

自動車ローンの滞納を長期化させると、車を失ったり、車が無いのに車のローン(借金)だけ払わなければいけない状態になったりします。

自動車ローンの滞納がどのような結果を招くのか?その一連の流れと最悪な結果、それを回避するポイントについてお話ししていきます。

最初が肝心!自動車ローンを滞納した時の流れを把握する

自動車ローンの滞納はとにかく高額になりやすく、1度滞納するとかなり返済に苦労する事になります。例えば、毎月4万の支払いで滞納してしまったのなら、2カ月目は8万円+遅延損害金の支払いをしなくてはいけません。これはかなりの負担だと思います。

1回目の支払いから2回目の支払日までの1カ月にどう対処するのかは、その後の状況にかなりの影響を及ぼします。そこで滞納から1カ月間のローン会社の動きについて、お話ししていきます。注意点を踏まえ確認して行って下さい。

まずは督促状が来る!滞納から1カ月の流れ

自動車ローンの最初の支払日に入金できなければ、翌日から滞納日が始まります。

◆1.滞納

◆2.督促状(2週間程度で郵送されてくる)

◆3.催告(電話が頻繁に掛かって来るようになる)

◆4.2回目の支払日(2カ月分+遅延損害金)

滞納から1~2週間程度で、督促状が郵送されてきます。督促状は、「お支払いをお忘れではないですか?○日に再度○○円を引落しますので、よろしくお願い致します」と言う、タダのお知らせです。

支払いについては、「忘れる」と言う事が良くあります。自動車ローンの支払いは、多くの場合が自動振替によるものが多いので普段は支払日を意識しません。そのため口座にお金が無い状態でも気付きにくく、督促状ではじめて口座にお金がない事に気付く方もいます。

通常は定期的に口座の確認をするべきなのでしょうが、忘れてしまう事もあります。

だからこそ、そういった状況のお客様に対して、まずはお知らせと言う形で督促状が郵送される訳です。

督促状が届いても、滞納を続けてしまった場合は、電話や訪問(会社や地域によっては無い場合もあります)での支払い催促が行われます。これは、督促状が届いて数日後から始まります。この段階では次回の支払い日も近い為、それを踏まえローン会社は確認をしたいと考えています。

もし催告を放置すると、勤務先などに所在の確認が行われる可能性もあります。そういった事を気にされる場合は、ローン会社からの連絡に必ず出る事をお勧めします。

遅延損害金の発生が、自動車ローンの滞納では意外に大きな負担になります。例えば100万円の自動車を購入した場合、損害遅延金は1カ月で1万6000円になります。

※罰則の年利を20%、30日分で計算しています。(14.6~20%と会社によって違います)

これは大変大きな金額です。自動車ローンの遅延損害金は、滞納を助長させてしまう1つの要素なので発生しないよう滞納には細心の注意が必要となる訳です。

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金額が大きい!自動車ローンの支払いは大きく分けて2つ

自動車ローンの滞納は遅延損害金が高い事もありますが、そもそもの支払い額が高い傾向にあります。実際の生活費の中で、家賃の次に大きな負担だと言えるのではないでしょうか?そして、自動車ローンの支払いにおいてもう1つ重要な事があります。

それがボーナス払いです。

自動車ローンは月々の支払い額が数万円と高額になりますが、さらにボーナス払いとして年2回ほどの数十万の出費が発生します。

その為、ボーナス払いの滞納はかなり厳しい返済になってしまいます。自動車ローンの返済は、この2つの支払いを計画的に行う必要があります。是非、注意して下さい。

    <自動車ローンの支払い額は、2種類ある事を忘れてはいけません>

  • 毎月、数万円の支払い
  • 年2回、ボーナス払いで数十万円の支払い

引き上げ示唆!分割の延長の交渉!滞納から1カ月目の対処法

2回目の支払日も、滞納してしまった場合、2回目の督促状が届きます。これには、大変重要な事が書かれていますので、確認したらスグにローン会社へ連絡して下さい。

またその際は、支払い方法や計画などをローン会社に交渉し、出来るだけ支払いの姿勢と意思を見せるようにして下さい。滞納している訳ですから、お金が無く支払いが厳しいのは分かります。

しかし、それでも何とか少しでも返済の形を作っていかなければ、悪い方向へズルズルいってしまいます。2回目の督促状と、支払い方法の交渉や対策などについてお話ししていきます。

2回目の督促状に注意!車を手放す序章の始まり

おおよそ、滞納から1カ月。支払日を2回続けて過ぎると、2回目の督促状が届きます。この督促状は、書かれている内容がかなり危険です。

◆5.督促状(引き上げを示唆)

2回目の督促状には、車を引き上げる可能性があると記載されています。

引き上げるとは、所持している車をローン会社指定の業者に一旦渡す事を意味しています。つまり、引き上げられると車に乗る事が出来ず、普段の利用や通勤の利用などにかなりの支障が出る事を意味しています。

さらにこの段階で、支払いが難しかったり、連絡が取れない場合、連帯保証人へ連絡が入る可能性もあります。

ローン会社によっては、連帯保証人への連絡がかなり遅い場合がありますので、目安として2回目の督促状が来た辺りから連帯保証人に連絡が行くかもしれないと注意しておいて下さい。

そして自動車ローンの滞納は、信用情報機関に○月に返済の延滞があったと記載される事になります。

<信用情報機関>
銀行系や消費者金融などのカードローン、クレジットカードなどの、個人の債務状況や債務履歴を管理している第三者機関です。

また、滞納が長期になると信用情報機関に「異動」と言う金融事故を起こしたと言う記載がされる事になります。もし異動と記載された場合、新規のローン契約の審査にかなりの確率で通らなくなるので注意が必要です。

滞納したらローン会社へ相談する!分割と延長の提案

2回目の支払いの滞納により、数々のデメリットが目立ち始める段階なので、早急に対処する必要があります。

<交渉>
①分割
②支払日の延長

まずは、ローン会社に分割か支払いの延長を交渉し、出来る限り滞納金の返済を行うようにしてみて下さい。ローン会社によっては、分割、延長は問題なく、むしろアドバイスや提案をしてくれる場合もあります。

逆に一切、聞き入れて貰えない場合もあるようです。例えば、「自動振替の引き落としが1週間後にありますので、その日に2カ月分の滞納金と遅延損害金が引落せるようにしておいて下さい」と言うように、要求のみの厳しい対応のローン会社もあります。

この辺りは早急な相談が功を奏して対応を軟化してくれる場合もあるので、やはり滞納した段階、1回目の督促状が来た段階で相談しておく事が重要になって来る訳です。

<対策>
①自動車ローンの乗り換えを検討する
②お金を集める

もし、どうしても支払いが厳しい場合は、自動車ローンの乗り換えを考えてみると良いかもしれません。利息分が安くなったり、返済計画を立て直し楽になるケースもあるようです。

また、これは身も蓋もありませんが、とにかくお金を集めると言う事も考慮する必要があります。この場合は、親や金融業者に借りると言う手段です。但し、借りた事によって返済がさらに辛くなる事も十分考えられます。その為、慎重に検討するべき事は言うまでもありません。

滞納を放置すると、車を手放さなければならなくなる!

2回目の督促状が届いても滞納が続いた場合、ローン会社から「車両引渡請求書」が届くかもしれません。これには、引き上げ日と最終日についての記載があります。

引き上げ日とは業者が車を引き取りに来る日で、最終日とは車が売却されてしまう日の事を指します。

2回目の督促状に記載されている場合もありますし、車両引渡請求書と言う形で連絡してくる場合もあります。ローン会社によって違いはありますが、引き上げ日と最終日が把握できる状態は車を失ってしまう状態の一歩手前です。

自動車ローンにおいて、この「車の引き上げ」は特徴的な対応の1つです。この引き上げについて、詳しくお話ししていきたいと思います。

車が取られる!自動車ローンの滞納からたった1~2カ月で!

滞納から最短で1カ月、中には3カ月後に引き上げる場合もあるようですが、自動車ローンの滞納が続けば、車をローン会社か車を購入した販売店に引き上げられてしまいます。

◆6.車を引き上げられる

この引き上げには、強制力はあまりありません。その為、引き上げ日になったからと言って勝手にレッカーで持っていかれると言う事はありません。必ず、引き上げ業者から同意書にサインを求められる事になります。

ただし、引き上げ日に渡せなければ、遅延損害金もどんどん加算されていきますし、ローン会社の判断で残金の一括請求などの要求をされるかもしれません。この段階まで来ると、かなり対応がシビアになって来るので慎重に対処しなくてはいけません。

もしどうしても仕事で使っていたりして渡す事が出来ない場合、ローン会社によっては自動車の差し押さえ訴訟を提起する可能性もあります。

滞納から、実際に引き上げ日になるまでの期間は、1カ月から2カ月程が一般的です。この段階まで、滞納に対処できない場合は車を一旦渡すしかない状態になると思います。

所有権は本人に無い!自動車ローンの仕組みを理解する

そもそもですが、購入した車を持っていかれてしまう事に疑問を持たれる方がいるかもしれません。これは自動車ローンの仕組みに、関係します。自動車の車検証を見て頂くと、「使用者」と「所有者」と言う欄がある事が分かると思います。

自動車ローンを完済していない場合、基本的にはこの所有者が、ローン会社(信販会社)か販売店のどちらかになっていると思います。つまり購入した車は、自動車ローンの支払いがある内は、まだ自分の車ではないと言う訳です。

<自動車ローンの返済が終わっていない場合>
①所有権はローン会社などにあり、取り上げる事が出来る
②所有権はローン会社などにあり、売る事ができない

ローン会社は所有権を有しているので、車を取り上げる事もその車を売る事も可能だと言う事を覚えておく必要があります。

また、自動車ローンの支払いがある段階では、車は借りているだけという事を理解しておかなくてはいけません。

車を失い借金だけが残る!売却と差し押さえの恐怖を知る

車を引き上げられたとしても、まだ最終日まで1~2週間程猶予があります。この期間内に、滞納分と遅延損害金などを支払えば、車の売却を止める事が出来ます。

しかし、最終日までに支払いがなければ本当に売られてしまい、購入した車はもう戻って来る事はありません。さらにですが、もし売却した代金で自動車ローンの残金が残ってしまった場合は、再度ローン会社から請求が来る事になります。

車を失い、借金だけ残る。最悪なシナリオの流れを、お話ししていきたいと思います。

車の売却益で、自動車ローンの残金が支払われる

自動車ローンの滞納から、督促状が2度届き、車を引き上げられた段階でやる事はただ1つです。お金を支払い、車を取り戻す事です。それが出来なければ、最終日を持って車は売却されてしまいます。

◆7.売却される

重要な事ですがローン会社は所有権を有しているため、車を販売する事が可能です。一般的に、引き上げ日と同時に車を売却する最終日も同時に通達されますので、必ず把握しておかなくてはいけません。

売却された車の売却益で、自動車ローンの滞納分や遅延損害金の支払い、そして残っている自動車ローンの残金の清算を行います。もし、それでも残金が残れば新たに請求が来る形となります。

また、この段階で信用情報機関へ「異動」と登録される事になります。金融商品である、自動車ローンの滞納が長期に渡り悪質な滞納トラブルだと判断され、その情報が登録される訳です。

その為これ以降ですが、新規の金融商品の審査にほぼ通らなくなります。つまり、新規のクレジットカードやカードローン、そして自動車ローンの審査にほぼ通らない事を意味します。車を失い、さらに新しく購入する道も無くなる可能性があるのです。

自動車ローンの支払いだけが残る!滞納を放置した結末

自動車ローンの滞納により車を失ったとしても、残金が残っていればそれを支払う義務が出てきます。もし、その残金を支払う事が出来ない場合、ローン会社は法的手続きを取る可能性があります。

◆8.財産を差し押さえられる

自動車ローンの残金が支払えない場合、ローン会社は訴訟を起こし給与や預貯金口座を差し押さえて補填する可能性があります。

支払いについてはローン会社と話し合う必要がありますが、分納などはほぼ認められないと思った方が良いと思います。この段階まで来ていると、残念ながら信用と言うものは持たれていない可能性の方が高いからです。

故に、給与などの差し押さえで残金の補填をする事になると十分考えられる訳です。そして、この差し押さえを止める方法は残金の支払いしかありません。

<まとめ>
自動車ローンは毎月の支払額が、大きい部類に入ります。ただ、これまでお話しして来てわかると思いますが、滞納後の方が支払する事が明らかに大変になっていく事が分かると思います。自動車ローンの滞納は、最初の1カ月がとても大切なので慎重に行動をし、車を失わないようにして下さい。
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