借金を滞納すると怖い取り立て屋って本当に来る?それとも来ない?
カードローンを利用している方の中には、借りたお金を返済日に返せず滞納中…ということも時にはあるのではないでしょうか。
「借金を返済できずに滞納…」というと、昔のドラマなどではよく、ヤクザのような強面の人達が自宅まで来て「いるのはわかってるんだ!金返せ」と玄関の戸をバンバン叩く…
そのような場面をテレビで観たことのある方もいらっしゃるでしょう。それでは実際のところ、あのような怖い取り立て屋が自宅にやってくるのでしょうか?
「今まさに借金を滞納していて、毎日ビクビクしている」という方は、ぜひ一度今回の記事をチェックしてみてくださいね。
またそうでない方も、予備知識として読んでみていただけると嬉しいです。
怖い借金の取り立て屋…本当に来るの?それとも来ないの?
それでは早速参りましょう。昔のドラマに観るような、ヤクザのような怖い取り立て屋は実際に来るのでしょうか?
答えは、「いいえ」です…実際にはあのような恐ろしい取り立て屋が自宅まで訪ねてきて、玄関の戸をガンガン叩く、というようなことは起こり得ません。
いくつかの「例外」をのぞいては。…その例外については、後ほど紹介致しましょう。
さて、現代ではドラマで観るような怖い取り立て屋が自宅へ押し掛けて来て、脅されるようなことはないのです。それには、以下のような法律が関係しています。
安全に快適に!お金を借りる人を守る法律「貸金業法」
私達にカードローンなどの商品によってお金を貸してくれる消費者金融では、「貸金業法」という法律を厳守しています。
(消費者金融とは、主な大手ではレイクやアコム、アイフルやSMBCモビットなどが、それにあたります。)
この貸金業法という法律は、2006年の12月20日に公布された後、2010年の6月18日に完全施行となりました。
貸金業法とはどのような法律なのでしょうか?それは一言で言えば、「お金を借りる利用者を守る法律」と言えます。
貸金業法には主に、以下のような6つのことが定められています。ちょっと詳しく見てみましょう。
- 借入総額は年収の1/3以下までとする
- 専業主婦(主夫)が借入をするには配偶者の同意を必要とする
- 一定額以上の借入をするには年収の証明書を必要とする
- 個人事業主が借入をする場合は決算書などの書類を必要とする
- 借入をする際は個人の信用情報の登録が必須となる
- 年間利率の上限は最大でも20.0%までとする
総量規制では、一カ所の金融機関でしか借入をしていない場合は、そこのみの借入金額が年収の1/3まで、ということになりますが…
複数の金融機関を利用している場合は、すべての利用金額をあわせて「年収の1/3まで」ということになります。
「年収の1/3までしか借りられない」というのはつまり、例えば年収が300万円の方の借入総額の上限は100万円までということになります。
「この法律のせいで、もっと借りたいのに借りられなかった!」というようなことをおっしゃる方もいらっしゃるのですが…
年収の1/3以上借りるということは、最終的には返済ができずに、最悪自己破産を行うような事態になる危険があることをご理解ください。
そもそも収入のない方は、返済能力がないとみなされるため、本来ならば借入を行うことはできません。
このため、収入のある配偶者の同意を得なければ、借入をすることはできない、ということになっています。
このような状態の主婦の方が、「配偶者に内緒で借入をしたい…」という場合は、とにかくパートやアルバイトなどをして、毎月ある程度の収入を得ることが必要となります。
ですが金融機関によっては、ごくごく小額なら配偶者の同意などがなくても借入を許可してくれる場合もあります。
例えば「A社で40万円借りているだけ」という場合なら収入証明などは不要の場合が多いですが、その後「B社で60万円借りたい」…という場合はB社で借入を行う際には収入証明などが必要となるのですね。
ちなみに収入証明とは、源泉徴収票、または直近の給与明細2、3ヶ月分、その他にはボーナスなども含む賞与明細のことで、自分にどれだけの収入があるのか?ということを証明できる書類です。
金融機関が利用者に対してお金を貸す時にもっとも重視していることは、何だと思いますか?…それは「貸したお金が確実に返済されるか?」ということです。
ですので、貸した金額に対して収入がともなっているか?返せる余裕があるほどの収入があるのか?ということは、金融機関にとってたいへん大切なことなのです。
また何か不祥事などを起こしてしまった場合、年収がガタ落ちするという危険もあります。
これらのような理由のため、金融機関が個人事業主にお金を貸す場合は「事業計画」、「収支計画」や「資金計画」、その他「決算書」なども提出し、返済できる見込みがあることを証明する必要があるのです。
ほぼすべての金融機関は、この「信用情報」を共有しており、お金を借りに来る利用者を審査しています。
貸金業法は、利用者を守るのと同時に「無理矢理な貸し付けが行われていないか?」ということを監視する意味もあるのですね。
しかし、現在の貸金業法が定まるまでは、この利率はたいへん高いものでした。以下の表で表す通り、長い年数をかけてようやく20.0%にまで下げられたのです。
1983年 | 貸金業法が制定、上限金利は109.50%から73.00%へ |
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1987年 | 上限金利は73.00%から54.75%へ |
1991年 | 上限金利は54.75%から40.004%へ |
2001年 | 出資法の改正で上限金利は40.004%から29.2%へ |
2010年 | 貸金業法の改訂及び施行により上限金利は20.0%へ |
貸金業法のその他の取り決めとしては、昼夜を問わない恐喝まがいの取り立てなども厳しく禁止しています。
つまり現在の貸金業法では、昔の映画などで観るような、強面の方が執拗な取り立てを行ったりすることは厳しく禁止しているのです。
また、債務者(借金がある人)に保険金をかけて自殺に追い込み、その保険金を借金の返済にあてる、というような行為ももちろんいけません。
以上のような様々な取り決めを破った、ということが判明した場合その金融機関は、法令違反ということで厳しく罰せられ、登録抹消、業務停止などの措置を取られます。
金融機関の方も営業ができなくなってしまっては困りますから、以上のような取り決めをキチンと守っているのです。
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恐喝まがいの取り立て屋が来る場合は闇金の可能性?
さて、さきほど「例外を除けば、恐ろしい取り立て屋はやって来ない」という話を致しました。
この例外とは、どのような場合なのでしょうか?それには、以下のようなことが考えられます。
- 借入をしている金融機関が闇金である
- 貸金業者として登録も行っていない会社である
貸金業者として登録もしていない、また闇金であるという場合、その金融機関は貸金業法を守りません。
ということは、貸金業法で決められていることは、すべて無視したような態度を取ってくるということです。
もしも闇金で借入を行った場合、以下のような恐ろしい事態が起こる可能性があります。
- 上限金利20.0%を上回る利子を付けてくる
- 申し込んでもいないのに勝手に口座にお金が振り込まれる(押し貸し)
- 返済が滞ると昼夜を問わず執拗な取り立てが行われる
- 返済できないと勤務先にまで押し掛けてくることもある
- 取り立てで心が休まらず精神的に追い込まれる
- 保険金をかけられて自殺に追い込まれる
- 夜逃げなどをしなくてはならなくなる
このような場所で借入をした場合、映画で観るような怖い取り立て屋がやって来ても不思議ではありません。闇金は絶対に利用しないようにしましょう。
利用しているところが闇金かもしれない…どうしたら良いの?
「利用しないように!」とは言っても、もう闇金で借入をしてしまっている…という方も中にはいらっしゃるかもしれません。
闇金は、「色々なところでお金を借り過ぎて、どこもお金を貸してくれない」また「ブラックリストになってしまって、どこもお金を貸してくれない」…
そのような「どこへ行ってもお金を貸してもらえない」というような状態の方でも、審査もせずに比較的簡単にお金を貸してくれます。
このため、お金がどうしても必要な方の場合は「ついつい闇金に手を出してしまった」という事態も考えられます。
それでは、自分が利用しているところが闇金だった場合、いったいどうしたらいいのでしょうか?
しかしながら、実際に返さないでいても事態が良くなることはあまりないでしょう。悪化することさえあるかもしれません。
このような状態になってしまった時は、専門の弁護士などに一度相談してみることをおすすめします。
本当にその金融機関が闇金である場合は、弁護士などに相談することで返済したお金の一部が返ってくることもあります。
ですが闇金は、実店舗などがなく電話だけで営業を行っている場合も多く、訴えても捕まえることはできなかった…という場合もあります。
例え返済したお金の一部が戻って来なくても、取り立てから解放されれば良しとしましょう。
もしも闇金でお金を借りてしまった場合は、取り立てで悩む前に弁護士などに相談し、早期に解決するようにしてください。
お金を借りる時は必ず登録番号のある有名なところで!
今回の記事では、昔の映画で観るような怖い取り立て屋は、実際に来るの?来ないの?ということについて紹介してきましたが、いかがでしたか?
現在では整備された貸金業法が守られているため、そのようなことは起こりませんので、安心して金融機関を利用してください。
ですが現在の貸金業法が施行されるまでは、映画で観るような怖い取り立て屋が自宅などに押し掛けてくることは、実際に起こっていた出来事でした。
返済が滞った人々は、現在では法外な高い年間利率のために借金がみるみる膨らみ、返済ができずに怖い取り立て屋に昼夜を問わず「返せ返せ」と追い立てられ、精神的に病み、自殺に追い込まれる方も多くいました。
また、保険金などをかけられたり、「内臓や目を売ってお金にしてこい」などと言われる方もいらっしゃったようです。
現在ではとても考えられない、恐ろしい話ですね…このような状態にあった貸金業を正しい状態にするために貸金業法は改訂されて、現在に至ります。
現在では、返済が滞っても怖い取り立て屋が来ることはありませんので、安心して金融機関を利用しましょう。
もしも闇金を利用してしまっている、という場合は滞りなく返済が終わっているならば、すぐに利用をやめてください。
念のため、押し貸しなどを防ぐ目的で闇金の利用で使っていた口座は解約し、新たな口座を作った方が良いかもしれません。
返済が滞ってしまって、怖い取り立てを受けている方は、弁護士に相談して早急な解決を目指してください。
それでは、闇金に引っかからないためにはどうしたらいいのでしょうか?…実は、貸金業を営む会社は「登録番号」というものを持っています。
これは貸金業法(第3条)で決まっているのですが、「2つ以上の都道府県の区域内に営業所や事務所を設置する場合は内閣総理大臣(財務局)の登録番号が必要である。…
また、1つの都道府県の区域内の場合は都道府県知事の登録を受けなければならない。」というふうに、貸金業をしている業者には必ず登録番号があります。
利用中の金融機関のホームページには、例えば「東京都知事(1)第○○○○号」や「関東財務局長(2)第○○○○号」というような記載があるでしょうか?
この数字は、その金融機関が登録された年は(1)ですが、3年経つ毎に更新されて数字が増えていきます。
このカッコ内の数字が大きいほど、歴史が長く、きちんとした貸金業者であるということが言えます。
闇金には、この登録番号がありませんので登録番号のないところでお金を借りるのはやめましょう。
とにかく、日頃あまり目にしないような金融機関でお金を借りるのは危険なので、控えた方が良いということです。
闇金に頼らなければならないほど、困っている…という場合はその時点で闇金に手を出す前に弁護士などに相談して、現状を回復させるべきです。
弁護士に相談するのもお金がかかるよね?と思って躊躇している方もいらっしゃいますが…
相談だけなら無料でできる場合も多いので、もしも返済のことや闇金などで困っている場合は、ぜひ早めに相談してお金の問題を解決しましょう。