滞納・未払い・差し押さえ

延滞損害金を発生させないために借り入れで心がけるべきこと

銀行や消費者金融と言い経金融業者からお金を借りるとき、気を付けなくてはいけないのが、返済期日です。

毎月最低1回は決められた金額を返済しないと、延滞行為だと判断されてしまい、利用者にはペナルティが課せられます。その代表的なものが、今回のテーマである延滞損害金です。

延滞損害金はいつ発生するのか、どのくらいの負担になるのかといったことを理解し、借り入れで損をしない行動を心がけましょう。

延滞損害金って何?どんな時に発生するもの?

借り入れをするとき、契約書には約定日と最低返済額というものが記載されています。約定日とは、毎月返済(引き落とし)をする日のことであり、最低返済額とは、借り入れを利用した債務者が、毎月返済する金額の最低ノルマのことです。

最低返済額は、借り入れをした金額の大きさによって決まり、多額の借り入れになればなるほど額も大きくなります。

約定日までにこの最低返済額を返済しないと、利用者に対してペナルティが発生します。具体的には、金融業者からの連絡(返済の催促)と延滞損害金です。

延滞損害金は、元金に対して利率計算の上で発生し、約定日を過ぎてからの日数で増え始めます。

ほとんど返済した状態であっても、1円も返済していない状態であっても、「いくら借りたのか」という情報をもとに計算する業者が大半です。重要なのは、約定日を過ぎたときに規定の金額を返済できていないと発生するという点です。

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法定上限いっぱい!延滞損害金の利率は非常に高い!

利息制限法によって、利用者が借りている金額に応じて、金利の上限は分類されています。区分としては、10万円未満、10万円以上100万円未満、100万円以上の借り入れによって、最大金利はそれぞれ、年利20%・18%・15%と定められています。

これを超える金利にすることは、利息制限法に抵触しているとして、規制の対象になっています。以前は、出資法と呼ばれる貸金業の法律上限であった年利29.2%という上限との間で、いわゆる「グレーゾーン金利」という問題もありました。

しかし、延滞損害金の罰則倍率は、金額によって区分される上限が決まっていません。利息制限法によって、上限が20%となっているので、ほぼすべての金融業者での延滞損害金の利率は20%になっています。

つまり、高額な借り入れをして返済が出来ずにいると、その滞納した期間に対して年利20%の延滞損害金が滞納日から加算されるので、本来の金利とあわせてかなりの高額負担になる可能性があるということを知っておかなくてはいけません。

延滞損害金は本来きちんと返済していけば発生することは無いもので、これは言うなれば、本来資金を回収できていた金融業者に対しての延滞行為による損害賠償金という意味合いに近いものです。

そのため、どれだけ金利の低さをアピールしている貸金業者であっても、延滞損害金だけは法定金利上限一派まで設定してあります。借り入れをする際には、必ずこの金利も一緒に確認しておきましょう。特に、悪徳金融会社の常套手段では、この部分の利率が異常に高く設定してあることもあります。

延滞損害金を支払わずに済ます返済時のポイント

意外かもしれませんが、遅延損害金が発生した時の多くの人は、意図的に返済を遅らせているわけではありません。延滞で一番多い理由は、「約定日に返済する目処が立たなかった」ということですが、次点で多いのは「返済方法を口座振替にしたが残高が不足していた」という理由です。

本来、返済忘れを防ぐために効果的な方法としてオススメされていたのが口座振替による返済でしたが、その利用者が増えるにしたがって、肝心の口座に資金を入れておくのを忘れたまま約定日を迎え、返済金額が足りなくなるという事態が多くなりました。

確かに、自動で返済してくれる口座振替は、返済のし忘れそのものは防いでくれます。しかし、「勝手にやっておいてくれる」というのは、その分、返済する行為を忘れ去られやすくし、結果的に、いつの間にか口座残金が足りなくなっていたという事態を引き起こしてしまうのです。

金融業者から未返済の催促が来て、初めて残高不足だったことに気づくといったケースも珍しくありません。こうしたトラブルを防ぐためには、こうだ振替の口座を普段使いのものに設定しておくなり、まとまった資金を預けておくなど、十分注意することが必須です。

ついうっかり返済を忘れてしまったという程度の認識でいる人も多いですが、延滞行為は下手をすると金融事故として個人の信用情報を傷つけ、最長5年もの期間、借り入れが出来なくなるリスクもあります。延滞損害金が大したことない金額であるからと言って、油断しないようにしましょう。

延滞損害金の算出の仕方を簡単に解説!

さて、ここでは実際に延滞損害金がどのくらいになるかの計算方法を解説していきましょう。とはいってもそれほど難しいことはなく、基本は金利の日割り計算と同じです。

先述したように、遅延損害金の利率はどこもほぼ20%に設定してあるので、それをベースに説明します。計算式は「利用額×0.2÷365×延滞した日数」によって求められます。例えば50万円借り入れし、1週間返済が遅れたとしましょう。その場合、上記の式に代入すれば、1917円(端数切捨て)となるはずです。これが延滞損害金の算出方法です。

ちなみに、うるう年では365でなく366で割ることになります。また、貸金業者によっては、最初が利用額ではなく、「延滞時の債務残高」の金額を代入する場合もあります。返済がある程度終わっている場合、延滞損害金はかなり小さくなるでしょう。これも、契約時に確認すべき点になります。

0.2という数値は延滞損害金の利率20%を数値化したものです。これが例えば18%の業者であれば、掛ける数値は0.18となります。

こうしてみると、利用金額の割にはそれほど高額では荷ように感じるかもしれませんが、日数が延びれば金額は雪だるま式に大きくなるうえに、この延滞損害金の支払いでは利息も元金も1円たりとも減りません。そのため、短期券線的な損にしかならないので、素早く返済してしまうに越したことはないのです。

滞納すると延滞損害金より怖いのは信用情報機関?

借り入れで期日までに返済できなかった場合、延滞損害金が発生しますが、実はこれはほぼ問題にならないことが大半です。なぜなら、期日を過ぎたすぐ後に貸金業者から連絡がきて、返済できていない事実がすぐにわかるため、ほとんどの人は、延滞損害金が膨れ上がる前に返済を済ませてしまうからです。

返済が滞った時に怖いのは、延滞損害金ではなく、「滞納」したという事実によって契約者の信用が大きく損なわれるという点にあります。

たとえ1日であっても、借金を返せなかったという記録が残ると、貸金業者にとって非常に重要な相手である「信用情報機関」という個人の信用性を評価する企業に、事故情報として登録されるリスクが発生します。

この事故情報ですが、どのくらいの期間、またはどのくらいの金額を滞納することによって記録が残るのかが、はっきりとわかっていないのです。

しかし、だからこそ安心できないのです。たった1日の滞納であっても運が悪いと事故情報が記録されてしまうことがあり、一度記録されると、5年間もの間、何をしてもそれが消えなくなってしまいます。こうなると、その期間中に借り入れをすることは勿論、クレジットカードの利用や、分割払い系の支払い手段がすべて使えなくなります。

日常生活に極めて強いデメリットを強いるペナルティなので、延滞損害金よりもよほど恐れられています。

延滞でトラブルにならないためにはどうすべきか

最後に、滞納と延滞のトラブルを防ぐために利用者が心がけておくことについて補足しておきましょう。

計画的に借りるといった陳腐なアドバイスは意味がありません。誰しも、お金を借りるときは必要だから借りているのであって、当座をしのぐ、または目的を果たすために必要な金額を借りています。切羽詰まったその場面では、計画もへったくれもありません。

滞納や延滞を回避できない状況になった際に重要なのは、債権者に事情を説明し、対応を遅らせることです。

ありていに言えば、自分がどうして返済できないかを話し、猶予をもらえるように交渉することです。無論、返済を延期すればその期間の遅延損害金は発生することは避けられませんが、無断で滞納するのに比べれば、相手は事情を知っている分、催促をされずに済み、法的処置をされる期限を引き延ばすことが出来ます。

加えて、返済を少しでもしておくことで、「滞納」ではなく「延滞」として扱われ、債権者側に返済の意思があると認識させることが出来るでしょう。そんなことをしても、返済できてないんだから同じじゃないかと思われるかもしれませんが、1円も返済していないと、「返済の意思なし」と判断され、すくに信用情報機関に事故情報として記録されてしまうので、この事情説明と交渉をするのは極めて重要なことなのです。

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