滞納・未払い・差し押さえ

FXで大きな借金ができた!自己破産することは可能なのか?

あなたはFX取引をしていますか?本業とあわせて副業として行っている、という方もいらっしゃれば、主婦の方で家事の合間に…という場合もあるかもしれませんね。

その他、FXと似たものには株取引などもありますが「株取引やFXで大きな借金をしてしまった」という話を聞いたこともあるのではないでしょうか。

今回の記事では、「FXが原因でできた借金は、自己破産できるのか?」についてと、「FXで借金を作らないためには何に注意すれば良いのか?」についても触れながら紹介していきます。

そもそもどうしてFXで借金になることって本当にある?

FX取引をしていて、残高がゼロになることはあっても「マイナスになることなんてないんじゃない?」という疑問を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

確かに普通にFXをしているだけなら、大きな借金ができることは、なかなかないので安心してください。しかし、限られたいくつかのケースでは大きな借金ができることもあります。

FXで大きな借金をしてしまう原因には、例えば以下のような理由が挙げられます。

それは、FX業者のシステムトラブルによるものであったり、または、週末に市場が閉まった後に、為替変動に関わるような「世界的に大きな事件」が起こった場合などです。

為替変動に関わるような「世界的に大きな事件」…について例を挙げると、最近の出来事では、2011年3月17日に発生した東日本大震災などが挙げられます。

それ以前の事件には、アメリカの大手投資銀行の「リーマンブラザーズ」の倒産による「リーマンショック」も「為替変動に関わるような世界的に大きな事件」となります。

これらは、自分でどうにかできるような「借金の原因」ではないので、もしもこのようなことが原因で借金ができても、それは「運」によるものが大きいと言えます。

しかし、「自分でどうにかできるもの」の中で一番よくある借金の原因は、「自分は絶対にFXで儲けることができる、負けても取り返せる」と信じて、わざわざ借金をしてFXに取り組んでしまう場合です。

こうなると、儲けるために始めたはずのFXもギャンブルと変わりません。このような方は「必ず取り返すことができる!」と信じて疑わないため、どんどん借金をしてしまう傾向があります。

もしもFXで残高がマイナスになってしまった場合、「ここまでマイナスになったら、いったんやめよう」とキリを決めておいた方が良いでしょう。

または「キリ」を決められないならば、少しでもマイナスになった時点で取引を中断するようにしましょう。

その他、取引中に注意すべきことには以下のようなことが挙げられます。これらも借金をしないために大切なことです。

  • 高いレバレッジで取引しない
  • ストップロスを入れる

高いレバレッジを利用すれば、持っているお金の何倍、というお金での取引が可能となります。それだけ取引にも面白みが出ますが、逆に大きなリスクもともないます。

例えばレバレッジ10倍で取引をしていれば、儲けが出れば儲けも10倍となりますが、損失が出れば損失も10倍となります。

借金を大きくしないためには、「高いレバレッジを利用しない」ことです。できれば1倍…つまり証拠金以上の金額で取引をしないことをおすすめします。

次に「ストップロス」を入れることも、大きな借金を防ぐ上では、基本的な大事な取引です。

ストップロスは、「損切り」「ストップ注文」「ストップロスオーダー」「逆指値注文」などとも呼ばれています。

これは損失を最低限に抑えるために、決めている価格よりも下がった時点で買い戻す、または売るという、FXにおいて基本的な行為のことです。

FXと上手に付き合うには、いくつかのルールや自分の中での取り決めが大切、ということが言えそうですね。

FXが原因の借金…自己破産することはできる?方法は?

いくら注意をしてFXを行っていても、時には「気付いたら大きな借金ができていた!」ということもあるかもしれませんね。

それでは、FX取引が原因となって大きな借金をしてしまった時…自己破産をすることは可能なのでしょうか?

答えは、ケースによっては可能である、と言えます。FXが原因の借金でも自己破産をして借金をゼロにすることは可能です。

FXや株取引が原因の借金は、自己破産をすることができない…という話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

それは、「FXなどがギャンブルとかわらない」という認識が世間にあり「免責不許可事由」に該当するのではないか、という噂があるためです。

ちなみに免責不許可事由とは、破産法第252条第1項各号にて定められている法律ですが、「このような場合には自己破産をする許可がでませんよ」という例のことです。

免責不許可事由について例を挙げると、例えば以下のようなものが挙げられます。

  • 無駄な浪費やギャンブルなどの賭博行為で多くの散財をした場合
  • FXや株取引などの射幸行為で多くの散財をした場合
  • 自己破産の手続き中「持っている財産を隠す」など事実と異なる額を申告した
  • 自己破産の手続き中に裁判所での破産審尋でウソの申告をした場合
  • 自己破産の手続き中に破産管財人を脅迫また暴行するなどし職務妨害した場合
  • 「自己破産するから良いや」と大きな買い物をした場合
  • また「どうせ自己破産するから」とカードローンなどで大きな借入をした場合


しかしながら実際のところ、先ほどのようなギャンブルが理由の借金であったとしても、本人から以下のような反省の色が見られれば、自己破産をすることも可能です。

  • ギャンブルをして借金をしたことを反省している
  • ギャンブルから完全に手を引いている
  • 何か職に就いており「もう借金を作らない」という姿勢が見られる、など

このように、免責不許可事由にあたる場合でも自己破産できることを、破産法252条2項の「裁量免責」と言います。

つまり、FXや株取引で大きな借金を作ってしまったとしても、自己破産は可能であるということです。

ちなみに、「自己破産後にFX取引はできるのか?」というと、するかどうかは別として、取引を行うことは可能です。

このため自己破産の手続き中に、弁護士さんなどから「自己破産後にまたFXをしますか?」と聞かれることもあるようですが、そこでは一応「しない」と答えておいた方が良いでしょうね。

その他、借金の額が100万円に満たない場合などは「小額である」と判断され自己破産できない場合もあります。

「自己破産の申し立てができる借金の額」については、おおむね「3年間くらいで返すことができる額かどうか?」が判断の基準になっているようです。

それでは実際に「自己破産しよう」となった場合、どのような手続きが必要になるのか、紹介していきましょう。

【関連記事】

FXで失敗し借金までしてしまった…債務整理は出来るの?

自己破産をする手続き方法や流れは?必要な書類はある?

まず一番最初にすることは、弁護士さんに相談することです。弁護士によって、自己破産を専門としている方もいらっしゃいますので、できればそのような方に相談すると良いでしょう。

また、弁護士さんの毛色も様々ですので、何人かの弁護士さんに相談して自分と相性の良い方を見つけると、その後の手続きがスムーズにいくと思います。

必要書類には、以下のような書類が挙げられますが、ケースによって必要のない場合もありますので、担当の弁護士さんによく聞いて手続きを進めていきましょう。

  • 銀行などの通帳(預金のあるものすべて)
  • 給与明細
  • 確定申告書
  • FXの取引明細
  • 年間取引報告書
  • 毎日の生活の際に出るレシート(領収書)など

その後、破産の申し立てが行われると「破産管財人」が財産などの調査に入り、免責がおりるかどうかが判断されます。

問題がなければ、免責がおり借金がゼロ円となります。すべての手続きがスムーズに進んでも、申し立てを行ってから免責がおりるまでは、数ヶ月以上という期間が必要となります。

また、弁護士さんによっても「仕事が早い弁護士さん」や「なかなか手続きをしてくれない弁護士さん」もいます。

もしも「自己破産をしよう」という方は、時間に余裕を持って早めに申し込むことをおすすめします。

時間に余裕があれば、弁護士さんを乗り換えることもできますし、心にも余裕を持つことができます。

なお最後に、自己破産の手続きには最初に予納金としていくらかのお金が必要となります。

予納金は、自己破産の申告をした場合に、最初に裁判所などに支払わなくてはならない手数料のようなお金です。

これを支払わないと、自己破産の手続きが開始されないため、たいへん重要な手数料です。

金額は破産事件の内容によって少々異なりますが、個人の破産では1,500円が必要となり、収入印紙での支払いとなります。

その他にも自己破産には官報公告費(自己破産をしたことを官報に公告するための費用)も10,000円〜16,000円ほどが手続き開始時にすぐに必要です。

また、債権者(お金の借入先)へ通知のためなどに、申立書に郵便切手を添付する必要があり、これには5,000円弱くらいの金額が必要となります。

ここまでの金額をまとめると、自己破産を開始するにはまず最初に以下のような金額が必要となります。

裁判所への手数料 1,500円
官報公告費 10,000円〜16,000円
郵便切手 5,000円
その他、自己破産でも「少額管財事件」の場合は、自己破産の依頼者の財産を調査したり管理する役割の「破産管財人」に支払う金額として、200,000円(引継予納金)という金額が必要な場合もあります。

これも支払う必要のある場合は「予納金」として、手続き開始時に必要な金額なので、注意が必要です。

また、弁護士さんに対してもお金を支払う必要があります…金額は弁護士事務所によって異なりますが、こちらはすぐに支払いをしなくても、ローンなどのような形で支払っていけば問題ないでしょう。

これをふまえると、自己破産の申し立ては、預金がそこをつく前にしなくてはならないということになりますね。

なお、自己破産後は手続きが完全に終了した後、10年間くらいはクレジットカードが作れないなどの弊害が起きます。

また、住宅ローンなどのローンが組めないこともよく起こりうることです。携帯電話も、契約はできますが本体の分割購入はローンを組むのと同じことなので、厳しいかもしれません。

これらは、個人の信用情報に「自己破産」という大きなキズがついてしまっているためです。いわゆる「ブラックリストになる」ということですね。

自己破産を行えば、借金はなくなり新しいスタートを切ることができます。大きな借金を負ってしまった場合は、膨らむばかりの借金と付き合いながら生活するよりも…

自己破産をしてしまった方が、生活はずっと楽になることでしょう。しかしながら、自己破産をしないにこしたことはありません。

FXで大きな借金を負ってしまうことのないよう、十分気をつけながらFXをするようにしましょう。

FXもギャンブルと同じ!のめり込み過ぎないよう注意!

今回の記事では、FX取引について借金ができてしまう原因や、自己破産の流れなどについて紹介してきましたがいかがでしたか?

FX取引が原因の借金でも、自己破産を行うことは可能です。しかしながら、自己破産を行うことは、信用情報に大きなキズを作ることとなり、以下のような様々な弊害が起こります。
  • 住宅ローンなどのローンが組めない
  • クレジットカードが作れない
  • 携帯電話の本体の分割購入ができない
  • カードローンの審査に通りにくい

それでも、本当に大きな借金を負ってしまった場合は、いつ返せるのかわからないような額の借金を返しながら生活を続けるより、自己破産してしまった方が楽に生活できる場合もあります。

借金は、最初は「これくらいなら返せる額だ」と思っていても、借金の額によって利息も膨らんでいくため、雪だるま式に大きくなっていきます。

また自己破産を行うにも、弁護士さんに手続きを申し込んでから完了するまでは、数ヶ月以上の月日が必要となります。

弁護士さんによっては、手続きをなかなか進めてくれないこともありますので、場合によっては、弁護士さんの乗り換えも必要となります。

自己破産の手続きを行う場合、時間に余裕を持って申し込むようにしましょう。

閉じる
閉じる