滞納・未払い・差し押さえ

クレジットカードの支払いができない!遅れるとどうなっちゃうの?

ネット通販や公共料金の支払など様々なシーンで活躍するクレジットカードは、もはやなくてはならない生活のツールだと思います。「今月は出費が多いなー」という時には分割払いやリボ払いとすることで支出を抑え、余裕がある時に支払うなど、家計のコントロールにも強い味方ですよね。

クレジットカードの「クレジット」とは「信用」を意味しますが、これは利用者に対して「後から払う」ということを信用するからに他なりません。

では、もし支払が遅れたらどうなるのでしょうか?そして放置したらどうなってしまうのでしょうか?

遅延損害金について知っておこう

まず、支払が1日でも遅れると遅延損害金が発生します。遅延損害金の計算式は以下のとおりです(利率はクレジットカード会社ごとに異なります)。

遅延損害金=延滞している金額×所定の利率×(延滞日数÷365)

ショッピングの一括払いなら、分割手数料やリボ手数料がかからないわけですから、遅延損害金が発生するのはもったいないですよね。

「でも、はじめから分割払いやリボ払いにしていたら手数料がとられるんだから、一括払いを延滞しても損はしないんじゃないの?」

などと考えてはいけません。通常は遅延損害金のほうが高くつきますが、それ以上に「信用=クレジット」を失うことがクレジットカードでは致命的なのです。分割払いやリボ払いでは、約束の支払日を守りながら支払っていれば信用はキズつきませんが、一括払いで遅れると信用にキズがつくことになります。

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カードが利用できなくなるタイミングは過去の延滞回数による

信用にキズがつくと、手許にあるクレジットカードが利用停止となります。お店で支払おうとしても、「お客様、このクレジットカードはご利用になれません」となってしまうのです。

では、どれくらいの期間、支払が遅れてしまうとクレジットカードが利用停止となってしまうのでしょうか?

実は、クレジットカード会社にもよるのですが、早いところでは引き落とし日の翌日から利用停止となってしまいます。

中には1ヶ月くらいは利用停止とならないクレジットカード会社もあるのですが、カードを申し込んだときに締結している契約書では、カード会社は期日の翌日から利用停止とできるようになっているのです。

ただし、多くのカード会社では「うっかり延滞」してしまったケースに配慮がなされています。口座残高が引落額を下回っていたことに気づかなかったり、ついつい支払日を忘れて引き落とし口座に入金していなかったりすることへの配慮です。

クレジットカード会社の善意による配慮ですから一概には言えませんが、延滞回数が3回以上の場合は「うっかり延滞」とは見なしてもらえず、カードが利用できなくなる可能性が高くなります。

カードが利用停止となった場合、当然ながらカード払いとしている公共料金なども支払ができなくなります。したがって、クレジットカード利用代金の滞納に加えて、他の滞納も増えていく危険があります。

カード会社からの督促の流れ

そして遅れている支払については、当たり前ですが督促されます。クレジットカード会社からの督促は一般的に以下の流れで進められます。

  • 電話による督促
  • ハガキによる督促
  • 訪問による督促
  • カードの強制解約と一括請求

まずは担当者から電話による確認の連絡が来ます。内容はだいたい以下の通りとなります。

  • 期日に支払が完了していないこと
  • 遅延損害金を含めた支払うべき金額
  • 支払方法(次の引き落とし日や振込方法など)

この電話で支払うことを約束すれば一旦は督促が止まりますが、約束した期日に再び支払えなかった場合には再度連絡が来ます。勤務先への電話は極力行わないよう配慮されますが、携帯電話や自宅などへの電話を無視しつづけた場合には、勤務先に電話がくる可能性もあります。

また、合わせてハガキによる督促も行われます。配送時間の関係で電話より後に届くことがほとんどですが、それほど日数を空けることなく届くことが一般的です。

電話も連絡も無視しつづけた場合、クレジットカード会社の担当者は連絡をとるために自宅訪問をすることもありますが、きちんと連絡が取れる場合にはあまり行わないようです。

そして、一定期間の督促を経て、連絡がとれなかったり支払がなされなかったりする場合には、カードが強制解約されます。利用停止の場合は延滞している支払を済ませれば再びカードが利用できるようになりますが、強制解約の場合は利用できるようになりません。

また、この頃には封書がとどくようになります。ハガキと違って、中にかかれている内容は厳しいものとなります。

  • 一括で返済を求めること
  • 返済できない場合には法的手続きを取ること

一括での返済を求められると、分割払いやリボ払いでのショッピング分やキャッシングについても、まとめて返済する必要があります。したがって、完済はより難しいものとなってしまいます。

以上の督促がどれくらいの期間をかけて行われるかは、

  • 連絡がついているか
  • 支払の意志が確認できているか

などの事情により異なりますが、1ヶ月〜3ヶ月ほどでカードの強制解約と一括請求となる可能性があります。

信用情報機関への登録

2ヶ月〜3ヶ月の延滞を続けると、信用情報にもキズがつきます。

クレジットカード会社はCICという信用情報機関に加盟してます。これは、顧客のカード利用状況や支払状況を他のクレジットカード会社やその他金融機関と共有するための組織です。クレジットカード会社はCICに毎月の利用有無や支払実績を報告しており、1ヶ月でも遅れるとその情報が記録されます。

さらに返済日から61日以上、または3ヶ月以上の遅れがあると、「異動」という特別な情報として記録されます(61日以上の遅れがあると、クレジットカード会社はCICに異動情報を登録する権利を持つということになります)。

これは、俗にいう「ブラックリストに載る」ということを意味します。

したがって、延滞しているクレジットカード会社だけではなく、他の金融機関との取引にも支障がでるということになります。

裁判所を通じた支払督促と差し押さえ

クレジットカード会社からの一括請求に対しても支払が行われない場合、クレジットカード会社は裁判所を通じて、以下の流れで回収します。

  • 支払督促の申し立て
  • 仮執行宣言付支払督促の申し立て
  • 財産の差し押さえ

まず、クレジットカード会社は裁判所に支払督促の申し立てを行います。「未払いのカード利用代金を一括で支払なさい」という内容の督促を、裁判所からしてもらうためのものです。延滞者がこの支払督促受け取った場合、異議を申し立てる猶予は2週間だけとなります。

異議を申し立てないまま2週間をすぎると、延滞者はその内容に納得したとみなされます。

そして支払督促の通りに支払が行われない場合、クレジットカード会社は30日以内に仮執行宣言付支払督促の申し立てを行います。延滞者が仮執行宣言付支払督促に異議を申し立てられるのは、支払督促と同じく受け取ってから2週間以内となります。

「仮執行宣言」ですが、ここでは財産の差し押さえを行うという仮の宣言を意味します。つまり、延滞者が2週間以内に支払を行わず、また異議を申し立てない場合、クレジットカード会社は財産を差し押さえることが可能となります。

支払督促や仮執行宣言付支払督促に異議を申し立てる場合には裁判となりますが、ここまで延滞を続けてしまうと裁判の結果も厳しいものとなる可能性が高いです。

多くのケースでは、給与や預金などクレジットカード会社にとって現金化しやすいものから差し押さえられます。ただし、給与の差し押さえについては、最低限の生活費を残すことが法律で定められており、手取りの4分の1もしくは手取りで33万円を超える分までとなります。

早めに相談して円満な解決を!

以上が、支払の遅れから財産の差し押さえまでの流れとなりますが、督促を無視したり延滞分の支払いについて約束を何度も破ってしまった場合の顛末となります。支払が遅れそうな場合、事前にコールセンターへ連絡し相談することで、カードの利用停止を回避できる可能性があります。

また、少しの遅れでは済まないような場合も、コールセンターに相談することで支払に関する提案を受けられることがあります。例えば、分割回数を増やし一回あたりの返済額を低くした返済計画を受けれ入れてもらえる可能性もあります。

困った時には一人で悩まず、少しでも早い段階でコールセンターに相談しましょう!

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