市民税を滞納したら最終的には差し押さえられる?逃げ得はない!
学校で「納税」は日本国民の義務と学んでも子どもの頃には意識もしなかったのに、成人し働くようになると、お給料からたくさんの税金が支払われている!と気が付いて驚いた…という方も少なくありません。
税金を納めるときに、会社員などの方が給料から天引きされていると滞納という事態にはなりにくいですが、ご自分で納める場合、忘れてしまったり何らかの事情で支払えない…という事態になってしまうこともありますよね。
もし、市民税を滞納してしまった場合、一体どうなってしまうのでしょうか?
「払えないから払わない!」が通用するのでしょうか?
今回は、市民税を滞納した場合に起こりうる事態について調べてみました。
市民税ってそもそもなんなの?払わないといけないの?
市民税という言葉は知っていても、どういったものかをなんとなくしか理解していない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まずは市民税がどういったものかをみてみましょう。
市民税は住民税ともいわれる地方税の一種です
市民税は、都道府県民税と併せて住民税ともいわれる地方税の一種です。今回は市民税と表記していますが、お住まいの地域によって町民税だったり村民税だったりすることもあります。
その年の1月1日に居住している人、居住はしていないが事業所や家屋敷がある人が対象です。
市民税は2つから成り立っています。
- 均等割
所得金額に係ることなく均等に負担する部分 - 所得割
所得金額に応じて負担する部分
原則としてはすべての人が支払う税となっていますが、以下のような場合は支払いが免除されます。
- 未成年者・寡婦(夫)・障がい者で前年の合計所得金額が125万円以下
- 生活保護法の生活扶助を受けている
- 前年の合計所得金額が各市区町村で定められた一定の額以下
市民税を決める基本となるのは前年の所得金額となります。
そのため、現在無職であったとしても、昨年働いていて所得があった場合は市民税を支払う必要があるのです。
市民税の納付方法は特別徴収(給与などから天引きされる)と普通徴収(納付書などで自ら納付する)があります。
市民税を滞納した場合はまずは督促状が届き納税を促されます!
特別徴収で給与から天引きされる場合、滞納してしまうということはめったにありませんが、自分で支払う普通徴収の場合は、うっかり納付を忘れていたり、手持ちがなくて納付できなかったりなど、滞納してしまうことも有るかもしれません。
では、市民税を滞納してしまった場合、一体どのような事が起こるのでしょうか?
市民税を滞納すると督促状が送られてくる
市民税を納期限までに納めずに滞納すると、しばらくしてから役所から督促状が送られてくることになります。
原則としては納期限を過ぎて20日以内をめどに督促状が送付されるようです。
【おすすめの記事】
ご注意を…滞納すると延滞金がかかります
市民税を滞納してしまった場合、後でそのまま滞納分だけ支払えばよいということにはなりません。
滞納に対してペナルティとして延滞金が加算されるのです。
延滞金は、延滞している期間や延滞している税額によって異なりますが、基本的には納期限の翌日から発生し、加算されます。
支払いが完了するまで加算されますので、長期間滞納してしまうと、延滞金だけで結構な金額となってしまう可能性があるので注意しましょう。
市民税を滞納し続けると…差し押さえまで発展することも!
督促が届いてもなお、市民税が払えずに滞納を続けてしまうと、最後は一体どうなってしまうのでしょうか?
催告書が送付されいよいよ最終段階に入ります
督促状は1度だけ送付される地域もありますし、複数回送付される地域もあり、お住まいの地域により対応は異なるようです。
しかし、再三の督促にもかかわらず、市民税の滞納を続けた場合、最終的にはどの地域も催告書を送付することになります。
催告書には、市民税が滞納されているという事と、納付を促す文書、そしてこのままだと滞納処分になりますよという旨の内容が記載されています。
また引き続き電話にて連絡が入ることも有ります。
財産の調査が行われ差し押さえにあう事態に!
催告書が送付された後も滞納が続いた場合は、最終的には差し押さえの段階に入ります。
差し押さえについては、まず財産の調査が行われ、金品はもちろんのこと、銀行関係や証券関係、各取引先など多種にわたって調査されるのです。
その後、滞納額に応じて財産が差し押さえられる事態となります。
銀行口座や給与などをはじめ、車などの動産、マイホームなどの不動産も差し押さえの対象となり、差し押さえの状況によっては信用情報などにも傷がついてしまう可能性もあるでしょう。
差し押さえまで事態が進んでしまうと、もう挽回のしようがありません。そのため、そうなる前に対応をすることが重要です。
悪質な滞納をしている方は予告なく差し押さえが行われることも
通常、滞納者に対して催告書などで前もって滞納処分についてのお知らせをしますが、長期にわたり滞納をしていたり、実際には払える能力があるのに納税をしなかったり…と悪質な滞納であると判断される場合、予告なく滞納処分が行われることがあります。
そのため、アナタがたとえ拒んだとしても、滞納が事実である限りは財産調査も滞納処分も拒否することはできません。
市民税が払えない…そんな時はまず役所に相談しよう!
いかがでしたでしょうか?市民税を滞納し続けてしまうと最終的に財産の差し押さえにあってしまうということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
しかし、払いたくてもないものはない!という場合は一体どうすればよいのでしょうか?
知っておいてください!自己破産しても市民税の納税義務は残ります
市民税の滞納だけでなく、他の借金なども重なり自己破産をした…という方もいらっしゃるかもしれません。
自己破産は、免責許可されれば借金がすべてクリアになり、人生を再スタートさせることができますが、市民税に関しては注意が必要です。
実は、市民税をはじめとする税金に関しては免責の対象となりません。
そのため、たとえ自己破産したとしても、市民税の支払い義務がなくなることはないのです。
滞納している場合は、自己破産していようが滞納分と延滞金を支払わなくてはいけません。
自己破産というと税金もすべてチャラになると勘違いされている方もいらっしゃいますが、そうではないのでご注意くださいね。
自治体によっては相談に応じて分割に対応してもらえることも
市民税は基本的には納期限までに一括で納付することが義務付けられています。
しかし、前年度の所得が基準となる為、今年度急激に所得が下がったり、無職になったりしてどうしても一括で納付するというのが難しいというケースがありますよね。
また、滞納分と延滞金で結構な金額となり、一括で返済なんてできないと思っているうちにズルズルと長期滞納となってしまう…という事態になってしまうことも有るかもしれません。
そのような時は一刻も早く、お住まいの自治体に相談しましょう。
ご自分の今の現状、今後の見通し、返済できる額などをきちんと話すことで、市民税の分割払いに応じてもらえることがあります。
直接役所に行く時間がないという場合は、電話だけでも良いので必ず連絡してください。
支払いの意志はあるが現状難しいということを分かってもらうことが重要となります。
最もいけないのは、払えないからとそのまま放置してしまうことです。
自治体側に「この人は払うつもりはないんだな」と判断されてしまうと、滞納処分へとつながってしまうかもしれません。
市民税の支払いが厳しい…となった時点で、出来れば滞納してしまう前に相談することが大切です。