NHK受信料を払わないとどうなる?NHKの契約義務と解約の方法
「NHK見ないし受信料払いたくない」「そもそもテレビ持ってないのに契約しなきゃいけないの?」と思われている方は多いのではないでしょうか?
NHKの受信料は月1,310円、BS/CSが受信できる場合は月2,280円とそれほど大きな金額ではないですが、普段NHKを見ない人にとっては不要な出費ですよね。
支払いたくない!と思っていてもニュースで受信料を払わない人が裁判で訴えられていたりすると払わなければならないもののように思えます。
NHK受信料を払わないとどうなるか、契約を解除する方法をまとめました。
NHK受信料の支払い義務が発生する世帯
NHKの受信料は日本国民全員に支払い義務があるわけではありません。
支払い義務が発生する条件とはどのようなものなのでしょうか?
NHK受信料の支払い義務とは
NHK受信料の支払いは税金ではないので国民の義務ではありません。NHKと契約をしなければならないかは放送法によって決められています。
NHKとの契約については放送法第64条で「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と定められています。
わかりやすくまとめると「テレビを受信できる機器を持っている人はNHKと契約しなければならない」ということです。
ですが、この放送法第64条に違反しても罰金、禁固刑などはありません。
NHKとの契約は義務ですが、契約しなくても法的な罰則はないです。
しかし、契約をしてなくてもテレビなどを持っている場合、NHK側から料金を請求する裁判を起こされる場合もあります。
【関連記事】
支払い義務が発生する受信機
放送法に書かれている「受信設備」はテレビ放送を受信できるすべての機器になります。
代表的な受信機は下記になります。
- テレビ
- 受信機能付きレコーダー
- パソコン(テレビチューナー付きのもの)
- ワンセグ付き携帯電話、タブレット端末
- ワンセグ付きカーナビ
ワンセグが付いているカーナビや携帯電話なども受信機と見なされます。ワンセグの機能を使っていないとしても持っているだけで支払い義務は発生します。
NHKの契約は1世帯ごとの契約になりますので、受信機をたくさんもっていても料金が変わることはありません。
NHK受信料の支払い義務がない世帯
受信料の義務が発生しない世帯にはどのようは世帯が当てはまるのでしょうか?
放送を受信できる受信機がない
近年、テレビを持たない世帯も増えていると思います。
放送法で定められている通り「受信設備がある場合」のみNHKとの契約、受信料の支払い義務が発生しますので、受信機がないなら契約する必要はありません。
受信機をもっていたとしても、放送を受信できない状態である場合には契約、支払いの義務は発生しません。
受信機が壊れていたり、そもそも家に放送を受信するアンテナがない場合には契約の義務がなくなります。
NHK受信料の免除規定
NHK受信料には免除規定があります。NHKと契約する義務はありますが、受信料は半額もしくは全額が免除されます。
半額免除となる世帯
- 身体障害者手帳をもつ視覚障害者、聴覚障害者が世帯主かつ契約者
- 身体障害者手帳を持つ身体障害者(1級または2級)が世帯主かつ契約者
- 重度の知的障害者と判定された人が世帯主かつ契約者
- 精神障害者保健福祉手帳を持つ精神障害者(1級)が世帯主かつ契約者
- 戦傷病者手帳を持つ戦傷病者(特別項症から第1款症)が世帯主かつ契約者
全額免除となる世帯
- 公的扶助受給者(生活保護受給者など)
- 市町村民税非課税の身体障害者
- 市町村民税非課税の知的障害者
- 市町村民税非課税の精神障害者
- 社会福祉施設等入所者
NHKの受信料は所得が低く払えないといった場合も免除になることはありません。
かといって受信機をもっている場合契約の解除も難しいです。
NHKの受信料を払わないと最悪裁判に!
時折、受信料を払わずNHKに訴えられているというニュースがありますよね。実際に訴えられてしまうとどうなってしまうのでしょうか?
2006年から2017年にNHKが起こした裁判の判例をみてみましょう。
受信料支払いを拒否した場合の実際の判例
NHKはテレビを持っている男性が契約をしてくれないため裁判を起こします。
訴えられた男性側は「そもそもテレビを持っているだけで強制的に契約をしなければいけない放送法は違憲だ」と主張しました。
結果、男性側の主張は認められず、最高裁でも「放送法は合憲である。受信できる機器を持った日からNHKとの契約は成立している」という裁判結果でした。
つまり、放送を受信できる機器を持っただけでNHKとの契約は成立しているため、受信機を持った日までさかのぼって受信料を支払わなければならないということです。
契約してからだけではなくその前までさかのぼって支払わなければならないなんて何のための契約なの?と思いますよね。
NHKが敗訴している部分もあります。それは「申込書を送ってから2週間たったら自動的に契約したことになる」という部分のみです。
ですが、放送を受信できる機器を持っている以上契約は義務なのであまり意味がないように思います。
実際にNHKに訴えられる可能性は低いものと思いますが、一度訴えられてしまうと勝訴することは難しいです。
NHKの契約を解除するには
一度NHKと契約しても放送を受信できる機器がなくなったり、壊れてしまった場合は契約を解除することもできます。
契約を解除するための手順
1,NHKに電話して契約を解除したいと伝える
まず、契約を解除したいとNHKに電話しましょう。
テレビがないことを証明しなければならないので、「リサイクル券」や「買い取り証明書」など処分したことが分かる書類があることをNHKに伝えるとスムーズに解約できます。
テレビを知人に譲った場合などにはNHKに譲った相手の住所や連絡先を伝える必要があります。
2,「解約届」に記入してNHKに返送する
電話で解約が認められると「解約届」が送られてきます。
解約届に必要事項を記入し、NHKに返送します。「リサイクル券」や「買い取り証明書」をお持ちの場合には解約届に添付してください。
3,審査後、契約の解除が成立する
解約前にNHKが本当に放送を受信できる環境がないか審査します。解約届のみで解約できる場合もありますが、電話での確認や自宅に訪問される場合もあります。
自宅に訪問された場合には受信機器がないか、受信できない環境かを確認されます。
この審査後に契約が解除されます。
NHK受信料を払わないようにするのは難しい
NHKの受信料は放送法によって受信機器を持っている場合、契約が義務づけられているため支払い義務を負わないことは難しいです。
テレビがなかったとしてもパソコンやスマホが受信機と見なされてしまうため、契約義務がない環境にすることも難しいですよね。
NHKの受信料の徴収については納得がいかない部分も多いかと思います。
NHKを見たくてテレビを買ったわけでもないのに、半ば強制的に契約させられるなんて
放送法には「ただし、放送の受信を目的としない受信設備(中略)を設置した者については、この限りでない。」といった但し書きがあります。
インターネットで「NHK 受信料」と検索すると「但し書きがあるからNHKを受信するための機器ではない!と言って契約は断れる!」といった記事などもたくさんでてきますが、証明が困難なため万が一NHKに訴えられてしまった場合、敗訴する可能性が大きいです。
NHKとの契約を拒んだからといって100%訴えられるわけではありません。むしろ訴えられることの法が珍しいです。
ですが、やはりリスクがないとはいえませんので、法律にのっとり行動することをおすすめします。