滞納・未払い・差し押さえ

聞いたことがあるのに詳しく知らない…差し押さえとはどういうもの?

「差し押さえ」と聞いてどのようなイメージをされますか?

突然人がやってきて「差し押さえ」と書かれた赤い紙を家具家電にペタペタ貼っていく…というドラマなどの演出のイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、実際に「差し押さえ」について説明してくださいといわれて正確な説明を出来る方はそれほど多くないようです。

また、自分には関係のない出来事…と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は差し押さえとはどういうものかについて色々と調べてみました。

ローンや税金、年金など何らかの滞納があるアナタ…もしかしたら「差し押さえ」が近づいているかもしれませんよ。

差し押さえとは債務者の財産を勝手に処分されないための手段です!

「差し押さえ」には一般に民事手続き上の「差し押さえ」と刑事手続き上の「差し押さえ」があります。

今回は民事手続き上の「差し押さえ」についてご紹介していきますのでご了承ください。

民事手続き上の差し押さえとは強制執行の前段階です!

日常生活を普通に送っていると「差し押さえ」という言葉を聞くことはほとんどありません。それこそ、ドラマや本など非日常の世界で見聞きするくらいでしょう。

しかし、ローンの滞納や、税金の未払いなど支払うべきお金を支払っていない場合、それが長期間続くといずれは「差し押さえ」という言葉を聞くことになるのです。

ローンなどの滞納が続くと、債権者は裁判所に強制執行の手続きをとります。

強制執行とは債権が回収できなかった債権者を満足させるためのもので、債務者の財産などを競売などにかけ金銭にして配当などを行う制度のことです。

この強制執行の流れのうちの一つが「差し押さえ」となります。

差し押さえは、債務者の財産に対して、債務者が勝手に処分することを禁止する手続きです。

どうしてこのような手続きを踏むのかというと、債務者…つまり滞納をしているのに支払わない人が、「どうせ強制執行されるんだからその前に財産を売ってパーッと豪遊してやろう!」なんていうヤケクソなことなどを起こさないための処置となるからです。

強制執行はまず差し押さえが行われ、差し押さえた財産を金銭などに換価します。換価したものは債権者に配当されるのです。

差し押さえが行われる流れはどういったものなの?

差し押さえは誰でも行えるものではありません。

例えば、アナタが友達にお金を貸していて返してもらえないからといって、勝手に友達の財産を差し押さえることはできません。

差し押さえには相応の手順を踏む必要があるのです。

差し押さえの決定は裁判所によって行われます!

強制執行に関する手続きは裁判所を通して行う事となっています。そのため、いくら滞納が続いているからといって債権者が強制的に債務者の財産を差し押さえることはできないのです。

そのため、もしアナタが滞納してしまっている場合、債権者が勝手に家に来て家電や車などを奪っていくことはありませんので安心してください。

ただし、裁判所が決定したことによる差し押さえ・強制執行はよほどのことがない限り抗うことができません。

差し押さえになる流れはどういうものなの?

債権者が債務者に対し再三の督促を行ったのにもかかわらず、返済が行われない場合、債権者は差し押さえ・強制執行への手続きを取ることがあります。

流れとしては大まかに以下のようなものになります。

債権差し押さえの申し立て 債権者が管轄の裁判所に申し立てを行う
審査 裁判所において申し立てについて審査が行われる
差し押さえ命令・差し押さえ命令正本の送付 差し押さえ相当と判断されると差し押さえ命令が出て、その旨が債務者に通知される
陳述書の提出 債務者は同封されいる書面に従って陳述書を作成し、裁判所に返送します
裁判所での弁済金交付手続きまたは取り立て 第三債務者が供託をした場合は、裁判所での弁済金交付手続きにはいるが、供託をしない場合は、債権者は取り立てを行い、裁判所に取立届を提出する

第三債務者とは、債務者が働いている会社や利用している銀行などのことをいいます。この第三債務者が供託することにより、給与の差し押さえや預金の差し押さえが出来るのです。

給与や預金の場合は比較的速やかに差し押さえが行われますが、不動産や貴金属などを差し押さえる場合は、上記に加え更に複雑な工程をたどることになります。

特に評価が必要となるもの等は、長い場合だと、差し押さえから強制執行、実際に配当という流れになるまで1年近くかかることもあるようです。

不服がある場合にはどうしたらいいの?

差し押さえや強制執行に対して不服がある場合は、裁判所へ異議の申し立てを行うことができます。

申し立てが行われると、強制執行の効力が失われる場合があります。

しかし、正当な理由がない場合は、申し立てが却下されそのまま実行される場合が多いです。

債権者が複数いる場合はどうなるの?

色々な所で滞納を行っていると、差し押さえの申し立てを行う債権者が複数となるケースもあります。

このような場合は、債権額に応じて配当される場合が多いですが、抵当権が設定されている債権(代表的なものでは住宅ローンの滞納など)や、租税債権(税金の滞納など)などがある場合は、こちらが優先的に配当されるよう決められているのです。

場合によっては取り下げが行われ、別の債権者が改めて申し立てを行う…ということもあるようです。

差し押さえられる財産にはどういったものがあるの?

ここまでで、一体どんなものが差し押さえられるんだろう…もしかしたら身ぐるみ全部はがされるくらい根こそぎ差し押さえられるんだろうか…など不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。

差し押さえの対象となる財産はきちんと決められています。

覚えておこう…差し押さえ出来る財産は3種類!

差し押さえ・強制執行の対象となる財産は以下の3種類に分けられます。

  • 債権
  • 不動産
  • 動産

債権と聞くと、「え?誰にもお金貸してないけど?」と思うかもしれませんが、一般的に以下のようなものも債権と判断されます。

  • 働いている会社から給料を請求できる権利
  • 銀行に預けている預金を引き出す権利
  • 売掛金
  • 賃貸などの場合は敷金を返還請求する権利
  • 生命保険など任意保険の解約金や払戻金を請求する権利

つまり、給料や預金、保険の解約金なども差し押さえの対象となるということです。

不動産はアナタが所有する土地や建物のことです。

動産は不動産以外の財産のことで、現金や貴金属、自動車などが当てはまります。

ちなみに、前章でご紹介した差し押さえの流れは、債権差し押さえの流れとなっています。

財産すべてが差し押さえられるわけではありません!

差し押さえの対象となる財産は、上記の3種類ですが、それらのすべてが差し押さえられてしまうというわけではありません。

全てを差し押さえられてしまうと、最低限度の生活すらままならなくなってしまうからです。

最低限の財産は手元に残すことが可能です。

  • 寝具・衣服など生活に欠くことのできない動産
  • 車いすや義足など身体の補助となる動産
  • 実印や職務上必要な印鑑・器具などの動産
  • 1ヶ月に必要となる食料など
  • 66万円以下の現金
  • 各種年金・生活保護・児童手当の受給権
  • 給与の1/4を超える金額(ただし手取り額が33万円を超える場合は33万円を超えた部分は差し押さえ可能)

上記にあげたもの以外にも差し押さえ禁止となっているものはありますので、詳細が気になる方は国税庁のホームページなどを確認してみましょう。

財産が全くない場合はどうなるの?

現在、働いておらず給与もない、家も車も、金目のものも持ってない…なんていう場合はどうなるのでしょうか?

差し押さえの対象となる財産がない場合は申し立てが取り下げられます。

というよりも、そもそも生活が成り立たない状態となっている可能性が高いので、そのような場合は自己破産などべつの手段が必要となるかもしれません。

差し押さえされるような事態を招かないように注意しましょう!

ここまで、差し押さえとはどういったものかについてご紹介してきました。

「差し押さえって怖い!」「せっかく貯めた貯金などを差し押さえるなんてひどい!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そのような状況に陥ってしまうのはそもそも何が原因でしょうか?

意味もなく差し押さえが行われることは絶対にない!

差し押さえが行われるには、それなりの根拠が必要です。そして、その根拠の多くが、払うべきものを払っていない滞納者側にあるといえます。

払わないといけないお金を払っていないから、相手方が最終手段として、差し押さえ・強制執行を行っているのです。

このような事態にならないようにするために、まずはしっかりと滞納せずに支払うということが必要です。

そして、万が一支払いが厳しいという状況になった場合、債権者に相談をしてみましょう。

どうせ支払できないんだから…と滞納したまま連絡もせず不誠実な態度を取っていると、差し押さえはどんどんアナタに近づいていきます。

しっかりと支払計画を立て、差し押さえのような事態にあわないようにしましょう。

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