滞納・未払い・差し押さえ

脱税はバレてしまうのか?意外と知らない発覚方法

所得があったら納税することが基本です。しかし、なかには申告をせずにいる人もいるかもしれません。

それは「脱税」となってしまい。バレると重い罰則が与えられます。節税であるならばもちろん罰則はありません。節税と脱税の違いはわかりますか?

ここでは、そもそも脱税がバレてしまうのか?申告が漏れてしまったときはどのような処分が待っているのか?重い場合は逮捕もあるのか?という脱税に関する疑問についてご説明します。

脱税はバレてしまう

まず、「脱税」は違法です。故意に納税を避ける行為のことをいいます。大まかに分けると以下のような行為です。

売上げを少なくする
収入を少なくする
経費を多くする
在庫を少なくする

売上げを少なくする方法はたくさんありますが、簡単にいえば、現金で回収した売上げをそのまま財布に入れてしまうことです。

現金での売上げは気持ちが揺らいでしまいますので、気を付けましょう。

また、副業などをしている方は、しっかりと副業分も申告をしてください。ただし、年間20万円以下の場合は申告の必要はありません。

節税と脱税は全然違う

節税の例をあげてみます。

マンションを経営しているAさんは、経営状態が良く数年の中で今年が一番家賃収入が多くなりました。

収入がおおいということは、翌年の税金が従来よりも多くなってくるということになります。マンションですから、空き室が出てしまえばその分収入は減ってしまいます。

翌年も、このまま満室が続くとは限りません。

そこでAさんは節税のために、排水管や給水管などの配管を業者に頼んで掃除をしてもらいました。マンションの配管を全て掃除してもらったので、金額はとても多くなりました。もちろん経費ですから、年間の収入から引かれます。

以上のケースは、脱税ではありません。次にご説明致しますが、マンションの配管をきれいにして詰まらないようにするのは、利用者に快適な環境を与えることです。

また、そのようなしっかりした管理が評判となって入居者が増える可能性もあります。

これは脱税ではなく「節税」ということになります。

売上げに貢献できるものが経費

では、経費を多くするとはどういうことなのでしょうか?

例えば、個人事業主が取引先との食事を経費とした場合、売上げが上がる可能性がありますから経費となります。

では、家族で食事に行った場合に、食事代を経費で処理したらそれは脱税となってしまうのでしょうか?

それは単純に会計処理の知識がないというだけで、脱税にはなりません。

当然ながら修正は必要となってきます。

脱税となってしまう場合は、取引先と食事をしていないのに、したことにするというようなねつ造です。ありもしないことをあったかのように見せるのが脱税です。

経費が多くなれば利益はその分少なくなっていくわけですから、完全な違法行為です。

次のような行為も違法です。

人件費の水増し
架空仕入れ・架空人件費
領収所の改ざん

雇ってもいない従業員をでっちあげて人件費とするような行為も、社会保険などの兼ね合いからバレますし、架空の仕入れも徐々におかしな計算になってきますのですぐにわかります。

どんな手口を使って脱税しようとしても、税務署はそのみちのプロですから、ごまかすことはできません。

マイナンバー制度で申告漏れもわかってしまう

マイナンバー制度が導入されたことによって、申告漏れがバレてしまうことがあります。これはマイナンバーによって紐付けされた、過去の納税などの情報が引っ張ってこられるからです。

これによって、追加徴収が行われています。特に現金で給与が渡されることが多い、水商売系の方が多かったようです。

また、個人の口座移動、家賃収納、コンビニ収納、高額商品の購入なども紐付けられるため、つじつまが合わなくなると、調査の対象になってしまいます。

預金をすることがなくても、このような情報は筒抜けになっていることを頭に入れておきましょう。

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申告漏れによる罰則は金額によって異なる

基本的な基準がありますので、以下の表を参考にしてみてください。

申告漏れ55万円以上 簡易接触(申告漏れしていませんか?程度の書面が送付される)
申告漏れ250万円以上 着眼調査(調査員が訪ねてくる
申告漏れ800万円以上 刑事告訴
申告漏れ850万円以上 一般・特別調査

申告漏れの金額が大きければ大きいほど、罰則は重くなっていきますが、まだお尋ね状レベルだからと言って、無視をしてはいけません。しっかりと税務署へ連絡しましょう。

脱税がバレる経路

あいつは所得を隠しながらうまくやっているのに、なんで私はバレてしまったんだろう?

では、脱税が発覚してしまう経路をご説明します。

税務調査による発覚
密告による発覚
資産などから発覚

主に脱税が発覚してしまう経路は以上となります.

税務調査は、はじめから脱税の疑いを掛けてくるわけではありません。あくまでも情報収集です。

ですが、調査ですので、帳簿などは見られてしまいます。帳簿を見られてしまえば、もしつじつまが合わないようなことがあった場合は発覚するのは当然であるといえます。

密告で脱税が発覚したケースもたくさんあります。外部や従業員からの密告です。そのような情報が税務署に入れば、税務署の職員は調査に向かいます。あたりまえですが、すぐに発覚します。

また、や家などの資産から脱税が発覚するケースもあります。所得に合わないような高級車や高額商品の購入は全て筒抜けになっていますから、あやしいと思われても仕方がありません。

税務署は銀行も調べることができますから、どのくらいの預金があるかはすぐに分かってしまいます。

脱税をしても逮捕されることはまずない

まず、税務調査は脱税した人を「逮捕」するのが目的ではありません。

もし、申告に虚偽があったり、申告漏れが合ったりした場合は修正をしてもらうのが目的です。

過少申告や延滞税とは別という考え方です。

しかし、その脱税が特に悪質で1億円以上脱税していたという場合などは裁判所に訴えられることがあります。その結果「有罪」となり逮捕されるということはあり得ます。

ですので、通常の税務調査で逮捕されてしまうのではないか?というのは間違えです。まず、一般的に1億円以上稼いでいて、さらに1億円以上も脱税していることは考えにくいです。

勘違いしてほしくないことは、逮捕はされなくても追加徴収などの罰則はあります。追加徴収の対象になった場合はすみやかに払い終えましょう。そこで終わりになります。

その後のリスクを考えて、しっかりと納税する

先にも述べた通り、知識不足や計算ミスなどによるものは脱税ではありません。しっかりと修正して申告をし直せばいい話です。

しかし、悪質な場合は追加徴収によって支払う金額が増えてしまいます。どのみち納税の義務を免れることはできません。

また、虚偽などによって脱税を繰り返した結果、信頼が大きく揺らいでしまうのは当然のことです。

自営業者であれば、取引先との関係も変わってしまうかもしれません。

さらに、税務署からマークされてしまうことは避けられないでしょう。

少しの金額を隠すことで信頼を大きく失ってしまいます。

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