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簡易裁判所から支払督促が届いた!知っておきたい支払督促の対処法

借金の支払いが送れて簡易裁判所から支払督促が届いてしまった!急に支払えと言われてもお金がない場合支払えません。ですが無視しては財産が差押えられてしまうためもっと困ります。

さらに遅延損害金などがかかってしまい、本来返済するはずだった金額より高くなってしまう場合もあります。

そんな場合きちんと対応することで財産の差押えを回避することができたり、分割での返済が認められるかもしれません。

そもそも支払督促とは何か、支払督促がきた場合の対処法をまとめました。

そもそも支払督促ってどんなもの?

借金の返済ができないときや家賃の支払いを滞納してしまったときに「支払督促」が届くと焦ってしまいますよね。

そもそも支払督促とはどのようなものなのでしょうか?財産の差し押さえはいつ行われるのでしょうか?

支払督促とは

支払督促は金融機関などが借金の返済や家賃の支払いなどが滞っている相手がいる場合に簡易裁判所に支払いを命じてもらうことです。

支払いを滞らせている滞納者には「督促状」が届きます。

督促状は金融機関からの催告状とは違い簡易裁判所から送られてきます。

この督促状には滞納している金額、支払いの期限、滞納している分の支払いを催促する文面が書かれています。

支払督促が行われる時期は金融機関により大きく差があり、滞納してから数ヶ月の場合もあれば数年の場合もあります。

また、支払督促は簡易裁判所から届きますが、すぐに財産を差し押さえられるわけではありません。

支払督促を無視すると財産を差し押さえられる!

財産がすぐに差し押さえられないからと支払督促を無視していると「仮執行宣言付き支払督促」が届きます。

仮執行宣言付き支払督促は簡易裁判所が金融機関に対して借金を回収するために強制執行(財産の差し押さえ)を許可したという内容が書かれています。

これが届いてしまうといつ財産の差し押さえが行われてもおかしくありません。

支払督促が届いた段階で無視せずに必ず正しく対処しましょう。

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差し押さえされない3つのケース

支払督促が届いても差し押さえが行われない場合もあります。3つのケースをご紹介します。

生活保護を受給している

生活保護を受給している場合、借金自体の支払い義務はあるのですが、生活保護法によって受給者への強制執行は認められていないので財産が差し押さえられることはありません。

そもそも生活保護とは財産、資産がなく生活が困難な場合に受けることができる制度ですので差し押さえができる財産をもっていないですよね。

破産手続きをした

自己破産は裁判所に借金の返済をする能力がないと認めてもらい借金をなくす手続きです。

支払督促がきてから破産手続きをしたとしても返済の義務がなくなるので借金を返す必要がなくなります。

ですが、自己破産をする場合は財産を処分しなければなりませんので手放したくない財産がある場合は自己破産はできません。

支払督促がきている金融機関だけでなく、他の借金もなくなりますので一つの金融機関からだけでなく複数の金融機関からお金を借りており、返済ができない場合は自己破産をしましょう。

借金の時効が成立していた

借金には時効があります。個人からの借り入れの場合は10年、銀行や消費者金融などの法人からの借り入れの場合は5年で時効が成立します。時効が成立すると借金の返済義務はなくなります。

時効の日数は最後に返済した日の翌日から数えます。一度も返済したことがない場合は契約日の翌日からの日数となります。

しかし、お金を貸している金融機関が催告状などの内容証明便を送った場合や返済期限の相談をした場合などは時効は中断されます。

また時効を成立させるにはお金を貸している人、金融機関に時効制度を使うことを伝えなければいけません。

時効が成立する期間が過ぎてから支払督促がきた場合は簡易裁判所に異議申立書で時効が成立していることを伝えましょう。

簡易裁判所から支払督促がきたときにするべきこと

差し押さえられないケースに当てはまらなかった場合、支払督促がきたら何をすれば財産の差し押さえを防ぐことができるのでしょうか?

督促異議申し立てをおこなう

支払督促がきてまずすることは簡易裁判所に「督促異議申し立て」をおこなうことです。督促異議申し立てとは支払督促に同意できないということを簡易裁判所に伝えることをさします。

督促異議申し立ては支払督促に同封されている「督促異議申立書」を提出することで行えます。

督促異議申立書には、書類の作成日、お金を借りている金融機関名、借りている本人の名前、住所、電話番号、異議を申し立てた理由を書きます。

異議を申し立てた理由には「分割で返済する話し合いを希望したい」といった内容を書きましょう。異議を申し立てるだけなので全く返済ができないからといって返済義務がなくなることはありません。

督促異議申立書の提出期限は支払督促を受け取った日から2週間以内です。この2週間は簡易裁判所に届く日で発送した日ではないので注意してください。

裁判所と金融機関に答弁書を送る

督促異議申立書を提出すると、簡易裁判所から訴訟の内容が書かれた訴状と口頭弁論期日呼出状、答弁書が送られてきます。

答弁書とは自分が支払督促に対しての希望を書く書類です。分割での返済を希望する場合には、月いくらを支払う事ができるか、いつから支払うかを書きます。

答弁書は簡易裁判所と金融機関の2カ所に送ります。提出の期日は口頭弁論期日の1週間前までです。

この書類は絶対に提出しなければならないわけではなく、口頭弁論期日に出廷すれば問題はありません。

簡易裁判所に出廷して口頭弁論をおこなう

答弁書と一緒に送られてきた口頭弁論期日呼出状に書かれている日に簡易裁判所に出廷します。ここで口頭弁論と金融機関との話し合いをおこないます。

口頭弁論は現在の債務状況と金融機関との契約内容の確認、返済の希望を伝えます。

金融機関との話し合いでは返済の内容について話し合います。いくらずつ返済していくことができるか、いつまでに全額返済できるかなどを相談し、お互いが納得すれば和解が成立します。

和解が成立すれば財産が差し押さえられるとはありません。相談した内容を元に和解調書をつくり、返済していくことになります。

弁護士にお願いするメリットデメリット

支払督促が届いてからするべきことを書きましたが、いろいろな書類がでてくるし裁判所に出廷しなければならないなどいろいろと面倒ですよね。

弁護士に依頼することで金融機関との和解をスムーズにすることもできます。

弁護士にお願いした場合のメリット

弁護士に依頼した場合、代理で出廷してもらえるため口頭弁論期日に出廷する必要はありません。出廷しなくていいということは自分で金融業者と話し合う必要もなくなります。

さらにこれから発生する利息の減額をお願いしたり、遅延損害金を減額したい場合の交渉も弁護士にお願いすることができます。

自分で金融機関と話し合いをして和解できる場合もありますが、金融機関が提示した条件をのむ結果になることも多いので、弁護士に依頼することで自分の希望に近いかたちで和解しやすくなります。

弁護士にお願いした場合のデメリット

弁護士に依頼した際のデメリットはやはりお金がかかってしまうことです。着手金や成功報酬を考えると5万円くらいはかかってしまいます。

お金がなくて借金を返済できなかったところにさらにかかるお金が増えてしまうと本末転倒ですよね。

ですが、利息や遅延損害金の減額を希望する場合には弁護士に依頼したほうが収支がプラスになる可能性もあります。

将来の利息を計算してその費用より弁護士に依頼する費用が安い場合は依頼することをおすすめします。

弁護費用がどのくらいかかるか分からない場合などは法テラスを利用してみてください。

法テラスでは1回あたり30分までの法律相談が無料でできます。またかかる費用を法テラスが立て替え払いしてくれるため分割払いで支払いができます。

支払督促がとどいても焦らず対応しよう

支払督促がきてもすぐに財産を差し押さえられてしまうわけではありません。聞き慣れない言葉や書類が多く難しそうに思えますが、焦らずにきちんと対応することで分割での返済を認めてもらうこともできます。

また弁護士に依頼することで利息や遅延損害金などを減額してもらうこともできます。法テラスでは30分間の無料相談ができますので、一度相談してみることをおすすめします。

財産の差し押さえを回避して滞納してしまった借金をきちんと返済していきましょう。

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