住民税の滞納は絶対NG!分割納付や減免について知ろう
毎年6月から納税がはじまる「住民税」。前年の所得によって計算されるため、今現在、無職であっても、原則は納税しなければなりません。
しかし、状況によっては納税が困難な場合もあるかと思います。その場合はどのようにしていったら良いのでしょうか。
「納税は免除される?」「ローンのように分割して納税できる?」「納税しなかったらどうなってしまうの?」
この記事では、このような疑問を簡単にご説明していきます。是非、参考にしてください。
2種類の納税方法があり、普通徴収は注意が必要!
住民税の納税方法は2種類あります。
特別徴収・・・給与支払者が(多くは勤め先の会社)本人に代わって、給料から課税額を天引きして、住民税を納付する方法普通徴収・・・給与所得以外の個人事業主、または退職後にまだ就職先が決まっていない人などが、自ら納付書などを使って納付する方法
特別徴収の場合、勤め先の会社が給料から天引きして納付しますので、納税のし忘れはあり得ません。
気を付けるべきなのは、普通徴収です。
特に今までが特別徴収だった人は、納付書を使って納税しなければならないという考えがあまりないのではないでしょうか。よって、納税のし忘れには十分注意する必要があります。
普通徴収の人で自治体から納付書が届いた場合は、期限内に納付しましょう。
住民税を納税しなかった場合の流れ
多くの納税されない場合は、住民税の普通徴収になるかと思いますが、納税をうっかり忘れてしまい納付期限を過ぎてしまった場合の流れは以下のようになっています。
2 勧告書の送付・電話や訪問による勧告
3 財産調査
4 差し押さえ
5 換価
督促状と勧告書の違いは厳しさの度合い
まず、納税が遅れてしまうと、各自治体で若干異なりますが、概ね20日ほどで住民税が納税されていない旨の記載がある督促状が届きます。
督促状を言い換えれば、請求書のようなものになります。
多くの場合はこの督促状が届いた時点で納税することが多いと思いますが、納税の意思がなく、督促状を無視して納税しなかった場合は、次の対策として勧告書が送付されてきます。または、自治体から電話や訪問による勧告が実施されます。
勧告書は、督促状よりも重みが増すものとなります。内容証明郵便で届くものが多く、「そんなの届いてないですよ」といった言い訳もできなくなります。
また、記載されている文言も、督促状に比べて厳しくなっている場合が多いです。
納税が遅れてしまったことに気付いて納税したのに、督促状が届いた場合は気にしなくても良いでしょう。納税から反映までにタイムラグがあるからです。
もし、それでも気になるようであれば、各自治体に連絡して確認すると良いです。
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財産の差し押さえは生活に多大な影響を及ぼすことを絶対に忘れない
再三の督促にもかかわらず、納税を無視した場合は、悪質とみなされます。
そもそも納税の意志がないと判断されてしまうのです。
まず、自治体は対象者の財産を調べ上げることが可能です。預金から何まで全て調べられてしまいます。
最終的に車や土地などの資産や、銀行口座の凍結などによって財産を差し押さえられてしまいます。それらの資産、財産を売却しながら、未納の住民税を支払っていく形になるのです。上記した流れの中での「換価」にあたります。
給与さえも差し押さえの対象となりますので、生活に大きな影響が出るのは言うまでもないでしょう。
住民税の延滞には延滞税がかかる
DVDなどのレンタルのように延滞した場合は延滞金がかかってしまいます。これを「延滞税」といいます。
納付期限の2ヶ月以内と納付期限の2カ月以降では利率が異なってきます。無駄多くの金額を納付することにもなりますので、納付期限は過ぎないようにしましょう。
以下の表は5年間の延滞税率の推移です。あまり変動はありませんが、2ヶ月以降はかなり高い利率がかかってしまうことがお分かりだと思います。
納期期限から2カ月以内 | 納期期限から2カ月以降 | |
26.1.1~26.12.31 | 2.9% | 9.2% |
---|---|---|
27.1.1~28.12.31 | 2.8% | 9.1% |
28.1.1~28.12.31 | 2.8% | 9.1% |
29.1.1~29.12.31 | 2.7% | 9.1% |
30.1.1~30.12.31 | 2.6% | 8.9% |
どうしても納税が困難な場合に考えられる措置
納税の意志があるにもかかわらず、どうしても納税が困難な人には、しっかりと対応してもらえるはずですので、不安がらずに各自治体に相談してください。
以下のようなケースに該当する人は、分割納付・減免・猶予の可能性があります。各自治体の条例によって若干異なりますので、参考までにしてください。
- 分割納付の条件
- 震災などの災害や盗難
- 生計を一緒にしている親族が病気または負傷
- 事業の廃止・休止
- 上記に類する事実があったこと
- 本来の期限から1年以上経過したあとに、修正申告などで納付する税金額が確定したこと
分割納付とは、文字通り分割しながら、ローンのように少しずつ納税するということです。
- 減免の条件
- 災害により住宅や家財が失われた場合
- 生活保護を受けている場合
- 生活保護に準ずる場合
- 前年の所得が一定以下で、1ヶ月以上失職により所得がない場合 など
減免とは、納税額そのものを減らしてもらうということです。
4つ目の失職については、自己都合の場合はもちろん認められません。
猶予とは、概ね1年間が条件となる場合が多いですが、納税を延長されるというものです。ただし、やむを得ない場合に取られる措置であることは、頭に入れておきましょう。
分割納付にも最低限の条件があることを忘れない
過去にやってしまった住民税の延滞ですが、どのように支払う意思を伝えていけば良いでしょうか?
まず、各自治体に連絡してください。勝手に分割納付の採用や減免などは受けられません。
延滞金は、一括で納められないような金額であれば、ほとんど分割納付になるはずです。納付するのが原則であるため、減免や猶予の可能性より分割納付が高くなります。
しかし、分割納付であっても最低限の条件は付きます。
- 今年分の納税額にプラスして延滞分を納付する
- 分割納付でも最低2万円は支払うことが多い
- 分割回数は12回であるところがほとんどである
当然、前年分の所得分は今年も住民税の対象となりますので、延滞金はそれにプラスして納付する必要があります。前年の所得が低かった場合などは、課税されない可能性もありますが、そのあたりも注意しましょう。
また、延滞金の多さや生活状況、各自治体にもよりますが、分割でも最低2万円は支払わなければならないケースが多いでしょう。
なぜなら、分割でも12回(次の年に繰り越したくない)を基本としているので5,000円などの低額では、追いつかなくなってしまうからです。
万が一、住民税を滞納してしまったら、上記のことを頭に入れて確実に納付しましょう。納付書はコンビニエンスストアや市区町村の住民税を扱っている課、銀行などで取り扱いが可能です。
納付したら領収印を押してくれますので、最低でも2年間は保存しておきましょう。
延滞した場合は支払う意思と返済計画を
住民税を滞納してしまったら、分割納付などが可能な場合があることは、これまで述べてきたとおりです。
しかし、それを認めてもらうためには、しっかりと「支払う意思」があることを示しましょう。
誠実な態度で相談することが何よりも大切です。
また、分割納付中に大きな買い物をしてしまって、また延滞してしまうなどもってのほかです。しっかりと、年収や家計状況も考えて返済計画を立ててください。