滞納・未払い・差し押さえ

将来の年金には期待できない?保険料を払わない選択肢はあるのか

会社を早期退職された方や自営業の方など、個人の行動により国民年金の保険料を支払う方々がいます。毎月の支払いや一括の支払いなどの選択肢の他に、保険料自体を支払わないという選択をしている方もおられます。

年間20万円近くを支払っているにも関わらず、将来もらえる年金は「少ないから」という理由で支払いたくないという気持ちもわかります。

当記事では保険料を払わない場合のリスクと、支払ったほうが良い理由をわかりやすく説明していきます。やむを得ない理由で支払えない状況もあるでしょうが、保険料の支払いは義務である上に「支払っていない方が損をする」ということが事実なのです。

保険料を放置し続けると!?日常に影響する重大なリスクとは

まず初めに国民年金保険料を支払わずに、滞納し続けた場合のリスクについて説明していきます。20歳になると発生する「義務」なので、放置しておくと大変なことになる可能性もあります。

早めの対応を!電話や訪問による催促がある

国民年金の保険料の支払いにおいて企業にお勤めの方は、自動的に会社が支払ってくれるので気にする必要はありませんよね。

そうでない方の場合、郵送で保険料を納付するための書類が届きます。もちろん公共料金の支払いなどと同じように、「期限」が定められています。

その期限を過ぎて放置したままにしておくと、保険料の支払いを促す書類が届きます。場合によっては電話や、直接自宅への訪問といった対応が取られる場合もあります。

そもそも日本の成人は「保険料を支払うことが義務付けられている」ので、無視し続けることは不可能なのです。気づけた時に早めに対応しましょう!後々厄介なことになってしまいます。

最終的には差し押さえまで!?安易に考えてはいけない現実

もし保険料を滞納していても、日常生活の中で頻繁に催促があるわけでもないので「まあ大丈夫だろう」と安易に考えてしまいがちです。

しかしそれは非常に甘い考えであり、アナタのタイムリミットは刻一刻と迫ってきているのです。もしかすると自分の家族までも、巻き込んでしまうことがあります。

再三の催促を無視し続けた場合、郵送で届く書類の深刻度が増していきます。財産を差し押さえる可能性を示唆した、「最終催告状」が届くとイエローカードとなり法的な処分を受ける段階へと進んでしまいます。

この段階で対応をすれば、まだ間に合う可能性も十分にあります。

それでもなお無視し続け財産を差し押さえられた人は、近年で年間1万人近くにも及びます。毎日どこかで保険料を滞納し続けたために、財産を差し押さえられている人がいるということを知っておいてください。

払わなくても良い場合もある!変わらず老齢年金も受け取れます

保険料の滞納に対し「無視し続ける」場合と「払えないけど相談した」場合で、国の対応はガラリと変わります。毎月約1万6千円(平成30年度)もの出費は安いものではなく、どうしても支払えないという方もおられます。

「放置」せずに必ず「相談」という対応をとりましょう。

免除や猶予がある!保険料の支払いは所得次第で変えられる

国も鬼ではありません。

国家の基礎は税金や保険料によって構築されており、国民年金の保険料についても同じで「私達自身が安心して暮らせる世の中」を作るための大切な制度なのです。やむを得ず保険料を払えない方に対しても、しっかりとした制度が確立されています。

それが保険料の「免除」や「猶予」です。「猶予」はその名の通り、支払いを待ってもらえる制度。「免除」は保険料自体を払わなくても良い制度で、段階別に「全額」「4分の3」「半額」「4分の1」免除とあります。

免除・猶予ともそれぞれ所得額に応じて、適用の有無や額が変わってきます。

保険料の支払いは義務ではあるものの「支払いが困難な方」には救済の措置があり、反対に国が厳しい対応をとるのは「支払えるのに意図的に支払わない方」ということなのです。

払ってなくても貰えるのか!?免除による年金受取額の変動

もし免除を受けた場合でも、将来年金が受け取れるのか不安ですよね?

万が一支払い義務である20歳~60歳の40年間、全額免除の対象となっていても年金は受け取れます!

さすがに満額支払っている方と比べると、受け取れる額は減ってしまいます。とはいえ払っていないものが受け取れる制度はかなり「良い制度」と言わざるを得ませんよね。

免除額 支給金額(満額に対する割合)
全額免除 2分の1(50%)
4分の3免除 8分の5(62.5%)
半額免除 8分の6(75%)
4分の1免除 8分の7(87.5%)

ご覧の通り、全額免除でも満額時の50%分の金額が受け取れます。これは一度免除を受けたら全体の割合が下がるという仕組みではなく、全額支払っていた期間と免除の期間を合わせた割合で計算されるのです。

しっかりと支払っていた期間が長ければ長い程、免除を受けても将来受け取れる年金の金額に大きく影響を与えるということもありません。

本当に将来年金は要らないのか?損をしてしまう理由

そもそものお話に戻るのですが、年金の保険料を支払うことは果たして損なことなのでしょうか?保険料を敢えて支払わないという選択肢は存在しないのですが「損だと感じながら支払う」ことは苦痛かもしれませんので、しっかりと確認してください。

生涯で一番長いローン!?毎月の支払い額と支払い期間

ここからは、現在~自分自身の生涯が終わる未来までの「仮のお話」をしていきます。

まず毎月の支払い額は平成30年度現在で「16,340」です。この金額は毎年見直しがなされ、微調整されていきます。仮にではありますが、40年間この金額だったと仮定した場合の総納付金額は

16,340×12ヶ月×40年間=7,843,200

満額の場合総額で約800万円弱を、国民年金保険料として分割払いで国に支払い続けていくことになります。

健康に長生きが何よりも得!受け取れる金額と生存年数

年間で受け取れる老齢基礎年金は、同じく平成30年度現在で「779,300(満額の場合)」です。この金額を65歳以降、死ぬまで毎年受け取り続けます。では日本人の平均寿命は何歳なのでしょうか?

男性で約81歳、女性で約87歳であり年々更新し続けている傾向があります。

人生の半分近くの期間を掛けて支払ったローンは、何年で元が取れるのでしょうか?
総納付金額は800万円とし、受け取れる年金は年間77万円とします。

8,000,000÷770,000≒10.39年

約10年5ヶ月で元が取れます!65歳から受け取り始めた場合、75歳を過ぎたあたりからある意味で「利益」が出てきます。これは平均寿命が短めの男性であっても、十二分に狙える「利益」です。

我々人間の明日は決してわかりませんが、理論上年金制度は「得する制度」です。人の生死に対してのお金の出入りを、損得だけで判断するのは不謹慎かもしれませんがこれが事実です。年金を払い続けることに損なことはなく、むしろ大きく得をすることなんですね!

制度が破綻しない理由!国民年金についてのまとめ

前項で年金制度は得する制度であるということを説明しましたが、ではなぜ年金制度が続いていくのでしょうか?保険料を支払う側の負担が増え続けるようなイメージがあるかもしれませんが、負担を増やさずとも破綻しない理由があります。

国民年金の保険料だけで全ては補えません!

年金といっても老後に受け取れる「老齢年金」だけでなく、「障害年金」や「遺族年金」といったものもあります。保険料をしっかり支払っていれば、これらの年金を本人または家族が受け取れる仕組みです。

先程も健康で長生きすれば元が取れる、理論上は国民が得をする制度だと説明しました。ではどこからそのお金が捻出されているのでしょうか?

ズバリ「税金」です!

単純な答えですが税金から資金が充てられているため、制度が無くなることはまずありません。ですから安心して保険料を支払い続けましょう!

本当はオトクだった!国民年金のまとめ

当記事でお伝えしたかったことを最後にまとめます。

  • 保険料の支払いは義務であり逃れられない
  • 滞納し無視し続けることは差し押さえのリスクがある
  • 支払えない場合も免除や猶予を受けられる
  • 免除・猶予を受けても年金は受け取れる
  • 長生きをするほど得をする
  • 年金制度は破綻しない

世間では「受け取れる年金が安くなっている」「支払う保険料が高い」などマイナスなイメージが先行しがちですが、実際は真逆だと思います。

たしかに一昔前と比べると状況は悪くなっていると感じることもあるかもしれませんが、長寿国である日本では当然とも言えます。

普段から健康に気をつかい、年金で何が何でも得をして大往生を迎えることもまた「人生の醍醐味」かもしれませんね。

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