滞納・未払い・差し押さえ

市県民税滞納は確実に差し押さえになる!強制徴収を防ぐポイントとは

私たちが家に住んでいる場合、毎年必ず払わなくてはいけないもの、それが市県民税(住民税)です。

この税金は、収入がどれだけであろうと、その住んでいる場所に対して必ず支払う義務があり、これを滞納することは許されません。万が一滞納した場合、速やかに差し押さえ処置がとられます。今回は、その市県民税の差し押さえについて解説していきましょう。

市県民税を自分で納める人は要注意!納付の手順を解説

市県民税(以後住民税と記載)は、主に2種類の納付手段があります。

企業に属している場合、毎月支払われる給与から天引き(予め差し引くこと)して自動的に納付されます。企業に属していない場合(自営業者など)は、指定された期間に自分で納めに行く必要があります。

住民税を滞納する危険性が高いのは、自分で納付する必要がある人たちが大半です。

なぜなら、給与から天引きする会社員などは、最初から住民税を支払った状態で給与額が決められるので、滞納自体出来ません。たとえ本人に「住民税を払わない」という意思があっても、給与をもらった時点で既に税金を払った状態になるからです。

従って今回のテーマである住民税滞納による差し押さえで関係があるのは、企業から給与という形で所得を得ていない人ということになるでしょう。ちなみに、給与所得者でも例外的に、副業などで年に20万円以上の所得がある場合は確定申告が必要になり、住民税ではなく所得税を別途納める必要があります。

住民税はいつまでにどうやって納付すれば滞納にならないの?

住民税を初めて自分で納付する人は、どのような手順で納めていいのか分からなくなります。どうすればいいのか迷っているうちに滞納扱いされては堪らないでしょう。

住民税は、毎年確定申告をする際に確定申告書の必要欄に記入し、「住民税を支払う意思がある」と役所側に示す必要があります。

確定申告の提出期限は3月15日までです。その後、税務署から各市区町村に確定申告の必要事項などが送付されてきます。その後、納税額を算出し、各個人宛に納税通知書と納付書が送付されます。

住民税を納める方法は一括と分割の2種類があります。一括では、6月の月末までに1年分の住民税をまとめて支払う方法です。分割は、年間の住民税を4回に分けて支払う方法です。分割方法は、3月の確定申告後、6・8・10・翌1の各月末までに決められた金額を納める方法になります。

住民税は、その期限が非常に厳しく管理されています。例えば、6月末の期限である一括納付では、未納状態で7月に入った瞬間に「滞納」扱いになってしまいます。

「1日2日遅れくらいなら大目にみてもらえるかも」なんて甘いことを考えてはいけません。滞納になると、個人の信用情報に傷が付き、個人向けの借り入れやローン、クレジットカード契約などあちこちの金融取引に悪影響を与えてしまいます。

こうした厳しい対応からも分かるように、住民税の滞納(特に納付期日)には注意が必要なのです。

すぐ差し押さえにはならない!滞納から差し押さえまでの過程

さて、滞納をしてしまった人が何を恐れるかというと、「財産の差し押さえ」です。

差し押さえとは、簡単に言えば、その人が持っているお金やそれに準ずる財産を強制的に回収し、滞納している借金や税金の支払いに充てる行為です。これが恐れられている理由は、差し押さえされる側に拒否権が無いことと、差し押さえられる対象の財産を指定できないことが主な理由です。

つまり、一度差し押さえが認められたら、その命令に逆らえなくなるうえに、どの財産を返済に充てられても文句が言えないことが差し押さえの怖い点なのです。

滞納をした人であっても、即座に差し押さえにはなりません。国が法律で定めている手順があり、それにのっとって各自治体が催促し、悪質または長期にわたる住民税の滞納に対してのみ、差し押さえになるのです。

滞納から差し押さえに至るまでには、大きく分けて3段階の過程があります。6月の期限を過ぎて納付してないと7月中に「督促状」が届きます。これも無視すると、次に「催告書」が届き、最後の警告として「差押予告書」が届きます。これらをすべて無視して初めて差押執行となります。

それぞれどういったものなのかを見ていきましょう。

催促で送られてくる各書類の文面とニュアンスのついて

住民税の滞納をして最初に送られてくるのが「督促状」です。これは注意喚起を促すもので、文面は非常に柔らかいです。ニュアンスとしては「住民税の納付を忘れていますよ、大丈夫ですか?」といった感じです。文面に記載されているのも、住民税を納めてくださいという簡単な通知だけです。

督促状では、住民税の滞納からそれほど日が経っていない(1ヶ月未満)ので、故意か過失か判断できないのです。そのため、あくまで忘れていないかの確認というような文面になっています。

次に送られてくるのが「催告書」です。これは正式な催促と同じで、滞納に対してかなり厳しい文面になっています。ニュアンスとしては「住民税を滞納しているので、可能な限り早く納めてください」というような感じです。文面はきちんとした告知であり、法的効力も発生します。

催告書は、滞納時期から2ヶ月から3ヶ月経過すると送られてくるものです。ここまで時間が経つと過失で忘れているという可能性は低くなり、故意に納めていないケースが大半です。当然それを踏まえたうえで送る書類なので、かなり強い催促の内容になります。

そして最後に送られてくるのが「差押予告書」です。これは書かれていることが決まっています。

「滞納金額」・「滞納者名」・「支払期日」・「未納であれば差し押さえになることの予告」、これだけです。ある意味一番素っ気ないものであり、一番恐ろしいものでもあります。

差押予告書は言ってみれば滞納に対する最終通告であり、これに記載されている納付期限を破れば即座に差し押さえに移行するという脅しでもあります。

事実、これを守らないと「差押通知書」という書類が届き、これが来れば最後、どうやっても差し押さえを回避できなくなります。つまり、これに記載されている期限が、差し押さえを回避できる最後のチャンスでもあるのです。

差し押さえられる財産は?借金時の徴収制度との違い

肝心な内容に移りましょう。再三の催促を全て無視した場合、差し押さえになるのですが、これにも手順があります。

いきなり財産を没収されるのではなく、財産調査、身辺調査、差押通知書の送付という順序を経て、ようやく差押執行となります。

差し押さえをする場合、まず何を対象とするかを決めなくてはいけません。そのためには、滞納者がどういった生活をしていて、どんな家に住んでおり、どこで働いているのか、どの程度の収入を得ているのか、財産は何を持っているのかといったことを調べる必要があります。

滞納者のことを隅々まで調べるのが財産調査と身辺調査です。銀行などの預金口座残金はもとより、家族構成から住宅情報、保険の加入状況や戸籍情報まで片っ端から全部調べられます。

この2つの調査は非常に込み入ったことまで調べます。「プライバシーの侵害じゃないか」と文句を言う人もいるぐらい細かく調べます。この調査は、国税徴収法という法律に則った正式な行為であり、この法律は個人情報保護法よりも優先されます。

身も蓋もない言い方をすれば、「納めるべき税金滞納している奴の財産状態を調べる方が、本人のプライバシーなんかよりよほど重要だ」ということです。

税金の差し押さえは民間の借金の差し押さえよりも遥かに多岐に亘って財産の徴収が認められています。借金の差し押さえは主に給与と銀行口座が対象になりますが、税金の滞納は本人が持っている金銭的価値があるものは、すべて差し押さえの対象になります。

どんな財産が差し押さえ対象になるの?

具体的に、差し押さえになる財産の対象と、その優先順位について解説していきましょう。

まず、滞納者が企業に属しているケースは、先述したように天引きという形で住民税を支払っているので、滞納という事態になりにくいです。しかし、経営者の立場だった場合、確定申告によって住民税を納めるので、滞納をしようと思えばできます。

非正規雇用者や派遣社員などは、各種の税金の支払い制度が正規雇用者と若干異なるので、その場合も滞納する可能性があります。

滞納をした場合、差し押さえする財産の優先順位が最も高いのは、給与そのものと銀行口座の預金です。現代で預金をどの銀行や金融機関にも全くしていないという人は非常に稀であり、多くの差し押さえでは預金額を調べた後、ここから返済や納付手続きを取ることになります。

現在収入が無く、貯金も全くない人であっても、ホームレスなどでない限り、手持ちの資産が全くないという人はほとんどいません。車を持っていれば車が、株式等を保有していればそれが、家と土地以外何もなければそれが売却され、差し押さえの対象になります。

しかし、中には何としても差し押さえを避けようとする人もいます。例えば、預金を全て引き出し口座を解約し、さらに住居を引き払い、勤務している会社もやめるというほどの執念を発揮する人もいます。しかし、税務署は絶対に諦めません。これは必ず覚えておくべき注意点です。

戸籍を調べ、引っ越し先を調べ、滞納した税金を回収するまで果てしなく追ってきます。税務署のしつこさは尋常ではありません。たとえ回収する金額よりも、それにかかる時間や人件費などの費用が圧倒的に上回るような「割に合わない仕事」であろうと、絶対に諦めません。

何故ここまで執念深いかというと、税金を滞納しても何とかなるという前例を一度でも作ってしまうと、類似するケースが出てきたときに強制的に徴収することが出来なくなるうえに、もっと高額な滞納をする問題を引き起こしかねないからです。だからどんなに小さな額であっても決して見逃さないということを行動でアピールし、滞納に対しての抑止力としているのです。

「住民税を払わずに何とかしてやろう」とは考えない方が良いでしょう。この徴収を回避するのはほぼ不可能と言われています。なぜなら、財産を何かしら持っていれば、それが差し押さえの対象に設定されるうえ、どこに移動しても税務署が追跡してくるためです。

住民税を支払わないように立ち回ろうとするよりも、一回に支払う負担を減らして納付するように交渉するのが望ましいです。

税金滞納は差し押さえは執行が早い?回避するために最低限やるべき事

住民税に限らず、税金の滞納に対して行政の判断は非常に迅速です。滞納は見つからないということが無く、時間と置けば置くほど事態は悪化していきます。

税金が払えなくなりそうだと予想される場合は、滞納になる前に必ず役所の納税課や税務署に相談することを強く勧めます。

滞納してから相談するのと、滞納する前に相談するのでは、相手側の対応が大きく変わります。もちろん、相談するなら前者の方が良いです。どうしても決まった額を支払えそうもないと分かっている場合は、分割納付が出来ないかを相談すべきです。

住民税には、4回に分けて納付する手段がありますが、これも結局は1年以内にすべて支払う方法です。その方法すら厳しい場合は、さらに長期に分けて納付できないかを相談するのです。

過去には、毎月の少額返済で100回以上の分割にして滞納した住民税を納めたという記録もあり、そこまで細かくすることは稀であっても、返済期間を2~3年単位にすることはそれほど難しくありません。

差し押さえをされる大半の人は、こうした交渉をせず無断で滞納し、住んでいる家に送付されてくる各書類に対して何のアクションも起こさないのです。これでは差し押さえをしてくれと言っているようなものです。

面倒であっても最低限、督促状が送られて来たら市役所に行きましょう。そして、少なくても次の3点を相手側に伝えましょう。

  • 現在住民税の納付が難しい経済状況であること
  • 毎月いくらであれば無理なく支払いが出来るのか
  • 住民税をすべて支払う意思があるということ

これさえきちんと伝えさえすれば、役所としても即座に差し押さえに移行することはありません。財産の差し押さえを回避するために最も重要なのは、「税金を支払う意思がある」と伝えることなのです。これを覚えて実践するだけでも、差し押さえをされる危険性は大きく減ることでしょう。

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